肥満症に対する減量手術で全死亡率が低下
【海外短報】
2018年02月22日 06:10
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肥満症に対して減量手術(肥満外科手術)を受けた患者は、非手術の通常ケアを受けた患者より全死亡率が低いことが確認された。イスラエルなどのグループがJAMA(2018; 319: 279-290)に発表した。
同グループは、イスラエル国民の54%が加入する民間医療保険のデータを用いて、肥満症に対する減量手術(腹腔鏡下の胃バンディング術、ルーワイ胃バイパス術、スリーブ状胃切除術)と通常ケアの死亡率および臨床転帰を比較する後ろ向きコホート研究を実施した。
2005~14年に減量手術を受けた8,385例(年齢中央値46歳、女性65.5%、登録時BMI中央値40.6)と年齢、性、BMI、糖尿病でマッチさせた非手術の2万5,155例(同46歳、65.5%、40.5)、計3万3,540例を2015年まで追跡した。主要評価項目は全死亡とし、術前BMI、年齢、性、社会経済的状況、糖尿病、脂質異常症、高血圧、心血管疾患、喫煙状態をマッチさせ補正した。
その結果、減量手術群では中央値4.3年の追跡期間中に105例(1.3%)が死亡〔バンディング術群61例/3,635例(1.7%)、バイパス術群18例/1,388例(1.3%)、スリーブ状胃切除群26例/3,362例(0.8%)〕した。一方、非手術群では中央値4.0年の追跡期間中に583例(2.3%)が死亡した。
非手術群と比べて減量手術群の死亡は絶対差で1,000人・年当たり2.51例少なかった。非手術群の減量手術群に対する死亡率の補正ハザード比は全体で2.02(95%CI 1.63~2.52)、術式別ではバンディング術で2.01(同1.50~2.69)、バイパス術で2.65(同1.55~4.52)、スリーブ状胃切除術で1.60(同1.02~2.51)といずれも有意に高かった。
(編集部)