小児期の腎疾患歴で将来のESRDリスク増大
【海外短報】
2018年03月07日 06:10
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© Getty Images ※画像はイメージです
小児期の腎疾患歴が将来の末期腎不全(ESRD)のリスク増大と関係することを示す研究結果が、イスラエルなどのグループによりN Engl J Med(2018; 378: 428-438)に発表された。
小児期に発症し、慢性腎臓病に進行しなかった腎疾患の長期的なリスクについては明らかにされていない。同グループは、1967~97年に徴兵検査を受けた思春期・青年期のイスラエル人152万1,501例を追跡し、小児期の先天性腎尿路異常、腎盂腎炎、糸球体疾患の既往歴とその後のESRDリスクとの関係を検討した。思春期・青年期に腎機能が正常で高血圧がなかった全例を解析対象とした。
30年間の追跡期間中に2,490例がESRDを発症した。解析の結果、小児期の腎疾患歴とその後のESRD発症との間に有意な関係が認められた〔ハザード比(HR)4.19、95%CI 3.52~4.99〕。小児期の先天性腎尿路異常、腎盂腎炎、糸球体疾患歴が、成人期のESRD発症に及ぼす影響は同程度であった。
また、小児期の腎疾患歴は40歳未満の若年期におけるESRD発症リスクの有意な増大とも関係していた(HR 10.40、95%CI 7.96~13.59)。
(編集部)