抗うつ薬が乳がん治療関連の関節痛を軽減
【海外短報】
2018年03月12日 06:00
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© Getty Images ※画像はイメージです
早期乳がんでアロマターゼ阻害薬(AI)による治療を受けている患者の関節痛の軽減に抗うつ薬(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)のデュロキセチンが有効であると、米国のグループがJ Clin Oncol(2018; 36: 326-332)に発表した。
AIには副作用として筋骨格系の症状があり、早期乳がんに対するAI療法のアドヒアランスに悪影響を及ぼす。同グループは、AI療法により平均関節痛スコアが0~10段階の評価で4ポイント以上を示した閉経後早期乳がん患者をデュロキセチン群またはプラセボ群にランダムに割り付け、13週間投与した。主要評価項目は12週間の平均関節痛スコアで、登録時からの2ポイント以上の低下を臨床的に有意な改善とした。
解析対象はデュロキセチン群が127例、プラセボ群が128例であった。解析の結果、12週までの平均関節痛スコアはデュロキセチン群がプラセボ群に比べて0.82ポイント低かった(95%CI -1.24~-0.40ポイント、P=0.0002)。有害事象の発現率はデュロキセチン群で高かった(78% vs. 50%)が、グレード3の有害事象発現率は同等だった。
(編集部)
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