脳梗塞急性期再発予防に3剤併用支持されず
【海外短報】
2018年03月27日 06:45
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© Getty Images ※画像はイメージです
脳梗塞急性期の抗血小板薬3剤併用療法に標準療法を上回る再発予防効果はなく、重度出血リスクを高めることが明らかになった。国際共同研究グループがLancet(2018; 391: 850-859)に発表した。
脳梗塞急性期の再発予防において、3剤併用の強化抗血小板療法はガイドラインに基づく標準療法より有効な可能性がある。同グループは、英国など4カ国で106施設参加の第Ⅲ相非盲検ランダム化比較試験(TARDIS)を実施。アスピリン+クロピドグレル+ジピリダモールによる3剤併用療法の有効性と安全性を、クロピドグレル単独またはアスピリン+ジピリダモールの標準療法と比較した。
対象は、成人で発症後48時間以内の脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)患者3,096例。3剤併用療法群(1,556例)と標準療法群(1,540例)に1:1で割り付け、30日間投与した。主要評価項目は90日以内の脳卒中(脳梗塞、脳出血)またはTIAの再発および重症度とした。
脳卒中またはTIAの再発は3剤併用療法群が93例(6%)、標準療法群が105例(7%)で有意差は認められなかった(補正共通オッズ比0.90、95%CI 0.67~1.20、P=0.47)。一方で、3剤併用療法群は出血の頻度が高く、より重度の出血と関係していた(同2.54、2.05~3.16、P<0.0001)。そのため、試験はデータ監視委員会の勧告により早期に中止された。
この試験結果を踏まえ、同グループは「日常臨床では、脳梗塞急性期患者に対し抗血小板薬3剤併用療法を行うべきでない」と結論している。
(編集部)
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