PPI使用による脳梗塞リスク認められず
【海外短報】
2018年05月10日 06:15
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© Getty Images ※画像はイメージです
プロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用と脳梗塞発症に有意な関係は認められなかったと、米国のグループがGastroenterology(2018; 154: 1290-1297. e1)に発表した。
先行研究で、高用量のPPI使用と脳梗塞リスクとの関連が示唆されている。同グループは、2000年以降にNurses' Health Studyに登録された女性6万8,514例(平均年齢65歳)と2004年以降にHealth Professionals Follow-up Studyに登録された男性2万8,989例(同69歳)を対象に、PPI使用と脳卒中発症との関係を検討した。
12年間延べ94万9,330人・年の追跡期間中に2,599例(女性2,037例、男性562例)が初回脳卒中を発症した。脳卒中の危険因子を補正後、PPI使用は脳梗塞リスクの有意な上昇と関係していた(ハザード比1.18、95%CI 1.02~1.37)。しかし、PPI使用の適応(消化性潰瘍・胃食道逆流症・消化管出血の既往歴およびH2受容体拮抗薬の使用歴)を補正後、この関係は有意ではなくなった(同1.08、0.91~1.27)。
PPIの定期的使用は脳卒中全体または脳出血のリスクとも関係がなかった。
(編集部)
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