てのひらサイズの吸入麻酔器、火星へ
小規模病院、航空機や船舶、遠隔地にも
2018年05月17日 06:03
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写真1. 石北氏らが開発した嗅ぎ注射器(石北直之氏提供)
吸入麻酔器は重症患者などの手術に不可欠だが、その大きさや費用などから、設置できる施設、環境には限りがある。そこで、国立病院機構渋川医療センター(群馬県)小児科医長の石北直之氏は、精密プラスチック製品の加工を手がけるニュートン社との共同で、てのひらサイズの超小型簡易吸入麻酔器(嗅ぎ注射器、写真1)を開発。3Dプリンター技術を利用して嗅ぎ注射器を火星探査時の医療に生かすプロジェクトが、米国が実施する模擬火星基地医療シミュレーション(Mars Medic Ⅰ)に正式採用されたことを明らかにした。弊社の取材によると、この器具は宇宙だけでなく小規模病院、航空機、船舶、遠隔地などでの医療にも活用できる可能性があるという(関連記事「世界初! 電子メールで人工呼吸器が宇宙へ」)。