急性心不全のD2D時間は臨床転帰に影響せず
【海外短報】
2018年05月22日 06:02
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© Getty Images ※画像はイメージです
救急部を受診した急性心不全患者の到着から利尿薬投与までのdoor-to-diuretic(D2D)時間に臨床転帰への影響は見られないと、韓国のグループがJACC Heart Fail(2018; 6:286-294)に発表した。
急性心不全患者の大部分はうっ血を呈するため、利尿薬による早期のうっ血除去は臨床転帰を改善する可能性がある。同グループは、救急部を受診した急性心不全患者に対するD2D時間が死亡に及ぼす影響を検討した。
対象は、同国の急性心不全レジストリに登録された入院患者のうち、救急部到着後24時間以内に利尿薬の静脈内投与が開始された連続2,761例。D2D時間60分以内を早期群、60分超を遅延群とし、院内死亡率および退院1カ月後と1年後の死亡率を比較した。
D2D時間の中央値は128分(四分位範囲63~243分)、早期群は663例(24%)で、登録時の患者特性は両群で類似していた。
解析の結果、早期群と遅延群で院内死亡率(5.0% vs. 5.1%)、退院1カ月後死亡率(4.0% vs. 3.0%)、退院1年後死亡率(20.6% vs. 19.3%)のいずれにおいても有意差は認められなかった。
Get With the Guidelines-Heart Failureリスクスコアと他の臨床共変量を補正した多変量解析、さらに傾向スコアマッチング解析でもD2D時間と臨床転帰との関係は見られなかった。
(編集部)
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