2剤併用でCABG後のグラフト開存率向上
【海外短報】
2018年05月26日 06:00
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© Getty Images ※画像はイメージです
大伏在静脈グラフト(SVG)を用いた冠動脈バイパス術(CABG)後のチカグレロルとアスピリンの併用によりグラフト開存率が向上することを示す非盲検ランダム化比較試験の結果が、中国のグループによりJAMA(2018; 319: 1677-1686)に発表された。
SVGを用いたCABG後のチカグレロル±アスピリンがグラフト開存に及ぼす影響は明らかにされていない。同グループは、2014年7月~15年11月に18~80歳の待機的CABG適応患者500例を登録。チカグレロル+アスピリン群に168例、チカグレロル単独群に166例、アスピリン単独群に166例を割り付け、CABG施行1年後のSVG開存率を比較した。
緊急血行再建術、他の心臓手術、CABG後の抗血小板薬2剤併用療法またはビタミンK拮抗薬療法を要する患者および重大出血のリスクがある患者は除外した。
500例に計1,460本のSVGを用いたCABGが行われた。1年後のグラフト開存率はチカグレロル+アスピリン群が88.7%、チカグレロル単独群が82.8%、アスピリン単独群が76.5%で、チカグレロル+アスピリン群とアスピリン単独群に有意差が認められた(群間差12.2%、95%CI 5.2~19.2%、P<0.001)。一方、チカグレロル単独群とアスピリン単独群には有意差はなかった(同6.3%、-1.1~13.7%、P=0.10)。
5例(チカグレロル+アスピリン群3例、チカグレロル単独群2例)に重大出血が認められた。
(編集部)
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