蘇生後早期高酸素投与で神経学的機能が不良に
【海外短報】
2018年06月14日 06:00
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© Getty Images ※画像はイメージです
心停止後に蘇生した患者の早期の高酸素への曝露は、神経学的機能不良と関係することを示す前向きコホート研究の結果が、米国のグループによりCirculation(2018; 137: 2114-2124)に発表された。
心停止後に蘇生した患者に対する高酸素投与と臨床転帰との関係を検討した研究の結果は一貫していない。同グループは、蘇生後の早期高酸素投与の神経学的転帰への影響を検討した。
対象は自発循環再開後に人工呼吸器を装着し、目標体温管理が行われていた成人心停止患者280例。外傷や敗血症による心停止患者は除外した。自発循環再開1時間後と6時間後に動脈血酸素分圧(PaO2)を測定した。高酸素は自発循環再開6時間後のPaO2 300mmHg超と定義。主要評価項目は、退院時の神経学的機能不良(modified Rankin Scaleスコア3超)とした。
280例中105例(38%)が高酸素投与を受けた。退院時に神経学的機能不良が認められた患者の割合は高酸素投与群が77%、非高酸素投与群が65%(絶対リスク差12%)で、高酸素投与は独立して神経学的機能不良と有意な関係を示した〔相対リスク(RR)1.23、95%CI 1.11~1.35〕。
多変量解析の結果、高酸素への曝露が1時間延長するごとに神経学的機能不良リスクは3%上昇した(RR 1.03、95%CI 1.02~1.05)。
(編集部)
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