術後化学療法が回避可能な早期乳がんを判定
Oncotype Dxの効果予測を前向きに検証:TAILORx
2018年06月14日 06:10
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早期乳がんの転移・再発予防を目的として行われる術後化学療法は、乳がん患者の予後改善に寄与してきた。その一方で、化学療法が不要な症例に対する過剰治療の可能性も指摘されている。Oncotype Dx検査は、遺伝子の網羅的解析によりがん患者の予後および治療効果の予測を行う多遺伝子アッセイ(多重遺伝子診断)で、ランダム化比較試験の検体を用いて予後予測因子および術後化学療法の効果予測因子を後ろ向きに検証した唯一のアッセイとされる。ホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性かつリンパ節転移陰性の早期乳がんを対象に、Oncotype Dx検査(読み解くためのキーワード参照)の有用性を検証した大規模なランダム化比較試験TAILORxの結果から、同検査で「中間リスク」と判断された症例では術後化学療法を省略し得ることが示された。米・Albert Einstein College of MedicineのJoseph A. Saparano氏が米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018、6月1~5日、シカゴ)のプレナリーセッションで発表、N Engl J Med(2018年6月3日オンライン版)に同時掲載した。