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腎臓病克服に向け日本腎臓病協会が始動

 2018年07月25日 18:20
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 今年(2018年)2月に設立したNPO法人日本腎臓病協会(以下、同協会)が7月17日、東京都で設立記念式典を開き、理事長で川崎医科大学腎臓・高血圧内科学教授の柏原直樹氏は、同協会の目的は腎臓病の克服であり、他職種および産官学と連携し今日、明日からできることを着実に行っていきたいとの決意を述べた。出席した厚生労働大臣の加藤勝信氏は、7月12日に発表された今後10年間におけるわが国の腎疾患対策の推進力になるよう同協会に期待を寄せた(関連記事:「次の10年へ、日本の腎疾患対策」)。

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日本腎臓病協会が担う役割は医師の働き方改革にも寄与

 生活習慣の変化や世界に先駆けた高齢社会を背景に、わが国で増加する腎疾患対策が求められている。厚生労働省が7月12日に発表した「腎疾患対策検討会報告書」(座長=柏原氏)では、自覚症状に乏しい慢性腎臓病(CKD)の早期発見や重症化予防に向けた施策の他、年間3万9,000例に上る新規透析導入患者を2028年までに3万5,000例以下に減少させる数値目標が盛り込まれた。

 加藤氏はあいさつの冒頭、今月に西日本各地を襲った豪雨による死者に哀悼の意を表するとともに、被災地医療に尽力している医療従事者をねぎらった。

 腎不全は日本人の死因の第8位に位置付けられている。同氏は、前述の報告書で示された目標を達成する上で「医療連携が不可欠である」と指摘。同協会が担う腎臓専門医とかかりつけ医の診療連携体制および腎臓病療養指導士の制度は、医師の働き方改革とそれを支えるタスク・シェアリングやタスク・シフティングに寄与すると述べ、同協会に大きな期待を寄せた。

4つの事業が柱

 これまでCKD対策として日本腎臓学会、日本透析医学会、日本小児腎臓病学会が共同で設立した日本慢性腎臓病対策協議会(J-CKDI)が疾患啓発や診療連携に取り組んできたが、柏原氏は「CKDに対する啓発を向上させ、日本の腎疾患克服をさらに前進させるために日本腎臓病協会設立の着想を得た」と紹介した。同協会が実施する具体的な事業は、次の4つ。

  • ①CKD対策(普及・啓発、診療連携体制の構築)
  • ②有効な薬剤・診断法・医療機器の開発を産官学で行うための連携基盤「Kidney Research Initiative-Japan(KRI-J)」の構築
  • ③腎臓病療養指導士制度の運営
  • ④患者会・関連団体との連携

 ①について、全国各地に司令塔となる医療機関や医師を定め、全ての地域で適切な腎疾患診療を行える体制を整備する。また②については、企業に対し関連する研究領域や研究機関などをアドバイスする役割を担う他、日本腎臓学会が構築するCKD患者データベースであるJ-CKD-DBを活用し、開発を促進する。

 腎疾患治療薬の開発において、エンドポイントに末期腎不全(ESRD)が設定されている。しかし腎疾患発症後、ESRDに至るまでの期間は長く、臨床試験にかかる費用が大きいことから撤退する製薬企業が相次ぎ、世界的な問題となっている。そのため日本腎臓学会は、日本医療研究開発機構(AMED)の研究事業(研究代表者=東京大学大学院腎臓・内分泌内科教授・南学正臣氏)として、臨床試験の適性評価研究を進めている。

734人を腎臓病療養指導士に認定

 CKD対策を講じる上で、医師と他職種によるチーム医療が不可欠だが、医療従事者の数に地域格差がある。そのため、知識に基づいてCKD患者の予後・改善に向け実践できる医療従事者の養成が求められている。 昨年、日本腎臓学会、日本医師会、日本腎不全看護学会・日本看護協会、日本栄養士会、日本腎臓薬物療法学会が「腎臓病療養指導士制度」を創設。③の腎臓病療養指導士制度の運営は同協会が行うこととした。腎臓病療養指導士に期待される役割は、基幹の医療施設ではチーム医療における中心的役割、一般の医療機関やクリニックでは非専門医やかかりつけ医の支援、それ以外にも地域のCKD対策などがある。なお、今年4月1日付で734人が腎臓病療養指導士に認定された。

 ④の患者会・関連団体との連携について、柏原氏は「腎疾患には希少疾患も含まれる。疾患の多くは不条理であり、CKDを含め腎疾患と闘う患者を独りにしない、という意がある」と述べ、患者とその家族の声を傾聴し、事業に反映させていくとした。

日本腎臓学会は山頂、日本腎臓病協会はその下に広がる裾野

 CKDを含む腎疾患を克服するための日本腎臓学会と同協会の関係について、柏原氏は広大で高くそびえる山に例えた。山頂というサイエンスの卓越性を追求するのが同学会なら、同協会はその下に広がる裾野であるという。その存在は次世代に継承することが不可欠である。 「わが国の腎疾患克服を将来展望とするのではなく、今日、明日からできることを確実に進めていく」と表明した。

 なお設立記念式典では、日本医師会副会長の今村聡氏(会長の横倉義武氏の祝辞を代読)、政策研究大学院大学名誉教授の黒川清氏、AMED戦略推進部長の岩本愛吉氏、日本透析医会会長の秋澤忠男氏、岡山大学学長の槇野博史氏、全国腎臓病協議会会長の馬場享氏が祝辞を述べた。

(田上玲子)

  • 昨年12月に柏原直樹氏を座長として発足した厚生労働省における腎疾患対策検討会が今年5月までに4回の会合を開き、これまでの10年間のわが国における腎疾患対策を総括し、今後10年間の目標と実施する具体的な取り組みを取りまとめた報告書

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