薬アレルギー歴でMRSA感染リスクが上昇か?
【海外短報】
2018年07月29日 07:00
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© Getty Images ※画像はイメージです
ペニシリンアレルギー歴がある患者はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やClostridium difficile(C. difficile)に感染するリスクが高く、このリスクにはβラクタム系薬以外の抗菌薬の使用増加が関係していると、米国のグループがBMJ(2018; 361: k2400)に発表した。
同グループは、英国のプライマリケア受診患者を登録したTHINデータベースを用いて、ペニシリンアレルギーとMRSAおよびC. difficile感染症との関係を検討した。対象は、1995~2015年に同データベースに登録されたMRSAおよびC. difficile感染症の既往がない成人30万1,399例。このうち6万4,141例はペニシリンアレルギー歴がある患者、23万7,258例は年齢、性、登録時期をマッチさせた対照患者であった。
平均6.0年の追跡期間中に1,365例(ペニシリンアレルギー群442例、対照群923例)がMRSA感染症、1,688例(同442例、1,246例)がC. difficile感染症を発症した。対照群に対するペニシリンアレルギー群の補正ハザード比は、MRSA感染症が1.69(95%CI 1.51~1.90)、C. difficile感染症が1.26(同1.12~1.40)といずれも有意に高かった。
ペニシリンアレルギー群のマクロライド系薬、クリンダマイシン、フルオロキノロン系薬使用の補正率比はそれぞれ4.15、3.89、2.10と有意に高く、βラクタム系薬以外の抗菌薬の使用増加がMRSAおよびC. difficile感染症リスク上昇と関連していた。
(編集部)
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