既治療の大細胞型B細胞リンパ腫に対するCAR-T療法lisocabtagene maraleucelで完全奏効53%【Lancet】
2020年09月04日 10:10
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Lisocabtagene maraleucel for patients with relapsed or refractory large B-cell lymphomas (TRANSCEND NHL 001): a multicentre seamless design study
Lancet 2020年9月1日オンライン版
既治療の再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫に対するCD19特異的キメラ抗原受容体発現T(CAR-T)細胞療法薬lisocabtagene maraleucel(JCAR017)の有効性と安全性を検討する他施設オープンラベル研究。
344例がJCAR017の作成のため白血球アフェレーシスによる末梢血単核細胞(PBMC)分離を行い、うち269例がJCAR017を少なくとも1回投与された。JCAR017の用量は 50×106個、 100×106個、150×106個のいずれかが選択された。
JCAR017の安全性と抗腫瘍活性について用量依存性はなく、推奨用量は100×106個(CD8陽性CAR-T細胞が50×106個、CD4陽性CAR-T細胞が50×106個)とされた。344例の全生存期間(OS)中央値は18.8カ月(95%CI 15.0~19.3カ月)で、 有効性評価対象の256例中186例が客観的奏効を達成し(73%)、うち136例は完全奏効を達成した(53%)。
主なグレード3以上の有害事象として、好中球減少症が161例(60%)、貧血が101例(37%)、血小板減少症が72例(27%)に認められた。サイトカイン放出症候群は113例(42%)、神経学的有害事象は80例(30%)に認められ、グレード3以上はそれぞれ6例(2%)、27例(10%)だった。用量制限毒性は9例(6%)に認められ、1例がびまん性肺胞障害により死亡した。