PIK3CA陽性進行乳がんへのalpelisib+フルベストラント、OS延長するも有意差なし
第Ⅲ相試験SOLAR-1のOS最終解析
2020年10月13日 12:00
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スイス・ノバルティスは9月19日、第Ⅲ相ランダム化比較試験SOLAR-1の全生存期間(OS)最終解析結果について、フルベストラント単独群と比べてPI3Kα特異的阻害薬alpelisib+フルベストラント併用群ではOSを約8カ月延長したが、有意差はなかったことを発表した。解析結果は欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congsress 2020、9月16~21日、ウェブ開催)でも発表された。
SOLAR-1試験はホルモン受容体陽性、HER2陰性の進行性乳がん患者を対象にalpelisib+フルベストラント併用の有効性と安全性をフルベストラント単独と比較。PIK3CA変異を有する患者のOS中央値はそれぞれ39.3カ月、31.4カ月とalpelisib+フルベストラント併用により7.9カ月の延長が認められたが、有意差はなかった〔ハザード比(HR) 0.86、95%CI 0,64~1.15、P=0.15〕。
SOLAR-1試験の主要評価項目であるPIK3CA変異陽性例の無増悪生存期間(PFS)中央値はフルベストラント単独群の5.7カ月に対して、alpelisib+フルベストラント併用群は11.0カ月と有意に延長したことが示されている(HR 0.65、95%CI 0.50~0.85、P=0.00065)。
なお今年の第56回米国臨床腫瘍学会(ASCO20 Virtual Scientific Program)では、PIK3CA変異ホルモン受容体陽性HER2陰性進行乳がんにおけるalpelisib+内分泌療法の有効性を検証する非盲検、3コホートの第Ⅱ相非比較試験BYLieveの結果から、主要評価項目である6カ月時点の病勢進行を認めない患者の生存割合(今回は前治療がCDK4/6阻害薬+アロマターゼ阻害薬のコホートでの結果)における有効性が報告されている(関連記事「CDK4/6阻害薬既治療乳がんへのalpelisib併用」)。