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Oncology Tribune

中枢神経原発悪性リンパ腫の機序および治療標的が明らかに

2020年10月16日 23:00

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 中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)は増加傾向にあり、全身性悪性リンパ腫と比較して一般的に予後不良であるとともに、標準療法(メトトレキサート投与+放射線療法)では再発率が高く、遅発性に白質脳症を誘発することで中枢神経機能を悪化させるリスクが残存する。横浜市立大学学術院脳神経外科学の立石健祐氏らは、ヒト由来脳腫瘍マウスモデルによりPCNSLの腫瘍形成・進展機序の解明とともに、標的となる分子機構を明らかにしたことをCancer Res10月16日オンライン版)で報告した。

 PCNSLに高頻度に存在するMYD88/CD79B変異などの分子異常はがん増殖の主要なシグナルであるNF-kB経路を活性化させるため、これらの遺伝子異常はPCNSLの発生・進行に重要であると考えられる。しかし、これらの仮説の検証に必要な細胞・動物モデルの作成はPCNSL自体の希少性や技術的に樹立困難とされていた。

 立石氏らは免疫不全マウス脳内にPCNSL細胞を移植することでPCNSLのヒト由来脳腫瘍モデルを樹立。このモデルを通じて病態の解明と治療標的分子の同定を実施した。

 その結果、①MYD88CD79B変異はPCNSL治療における有力な標的遺伝子異常であること②PCNSLは解糖系への強い依存性を示すこと③PCNSLではNF-kB活性化が解糖系を亢進させることで腫瘍進展が生じること④Pin1活性によるRelA/p65安定化がPCNSL進展を促進させること⑤エプスタイン・バー・ウイルス陽性PCNSLではLMP1とPin1によるRelA/p65恒常的発現がPCNSL進展を促進させること⑥メトトレキサート大量化学療法の感受性はNF-kB経路の活性抑制により規定されること―が明らかにされた。

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