EGFR-TKI耐性肺がんに新規治療薬候補
2021年04月06日 12:00
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岩手医科大学は4月5日、同大学薬学部情報薬科学分野教授の西谷直之氏らの研究グループが上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)耐性非小細胞肺がん(NSCLC)の新規シード化合物ラメラリン14を開発、研究成果がCancer Sci(2021年2月5日オンライン版)に掲載されたと発表した。
EGFR変異陽性NSCLCの薬物療法ではEGFR-TKI耐性という課題がある。耐性克服を目的に第三世代EGFR-TKIオシメルチニブが開発されたが、オシメルチニブに耐性を示す新たな変異であるEGFR C797Sが報告されている。
ラメラリンは海洋生物ベッコウタマガイの一種から単離された天然物化合物で、ラメラリン14はラメラリンの誘導体。複数のEGFR変異〔エクソン19欠失変異(del19)/T790M/C797S〕を有するヒト肺がん細胞で抗腫瘍効果を示しており、第三世代EGFR-TKI耐性の克服が期待される。