「お口ぽかん」全国調査で子どもの3割、想定外の結果に...成長期には難しい自然治癒〔読売新聞〕
2021年04月06日 15:54
プッシュ通知を受取る
3名の先生が役に立ったと考えています。
いつも口をぽかんと開けている状態が特徴的な子どもの口唇閉鎖不全(お口ぽかん)について、岐阜県大垣市の大垣女子短大などの研究グループが全国調査を行い、有病率が30・7%にも上ったと発表した。調査では、お口ぽかんの子には「鼻がつまる」や「クチャクチャ音を立てて食べる」などの傾向があることが裏付けられたという。
だが、国内ではこれまで大規模な実態調査が行われたことはなく、同短大や新潟大などの研究グループは、〈1〉有病率に年齢差や地域差があるか〈2〉どのような要因があるのか――を調べることにした。
調査は2014年、全国66の小児歯科医院を受診する3~12歳の3399人を対象に実施。保護者に対し、子どもの生活習慣を尋ねるアンケートを行い、回答を分析した。
その結果、有病率は年齢が上がるにつれて高くなり、12歳では4割弱を占めた。地域差はなかったが、「唇にしまりがない」「口を開けて寝る」「口がよく渇く」「口臭がある」などの傾向が見られたという。
この研究成果は今年1月、国際学術誌の電子版に掲載された。
これまでに行われてきた小規模調査からは、年齢が上がるにつれて、有病率が低下する傾向が報告されている。
今回の調査に加わった大垣女子短大の海原康孝教授は「結果は想定外で、ほぼ3人に1人という割合は高い」と指摘。子どもの成長期の自然治癒は難しいといい、保護者に対して「該当すると思ったら、まずは医者に診てもらい、その子の要因に応じた対処法を早くから実践してほしい」と呼びかけている。
(2021年4月6日 読売新聞)