重症喘息患者へのtezepelumab、すべての主要・副次評価項目で優位性を実証
第Ⅲ相NAVIGATOR
2021年05月19日 19:09
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アストラゼネカは5月19日までに、コントロール不良の重症喘息患者を対象に上皮細胞サイトカインTSLP阻害作用を有するモノクローナル抗体tezepelumabの有効性および安全性を検証したプラセボ対照第Ⅲ相ランダム化比較試験NAVIGATORの結果から、広範な重症喘息患者集団で全ての主要および副次的評価項目において優位性が実証されたと発表した。
同社によると、同試験の事前に規定された探索的解析の一つにおいて、血中好酸球数値および呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)のレベルに基づき、4つの患者サブグループにおいてプラセボ群と比較して、tezepelumabの標準治療への追加治療群で52週にわたり年間喘息増悪率(AAER)の減少が認められた。またベースライン時の血中好酸球数(300 cells/μL 以上) およびFeNOの値(25 ppb以上)が高値の患者群において、プラセボと比較し、tezepelumabは77%と有意なAAER減少を達成した。
別の探索的解析においても、tezepelumab群はプラセボ群と比較し、入院を要する増悪を52週にわたり80%の減少を示した。 また主な副次的評価項目である呼吸機能、喘息コントロール、健康に関連するQOLのいずれにおいても、tezepelumab群ではプラセボ群に対し有意な改善を認めた。
これらの結果の詳細は、米国胸部学会(ATS 2021)で発表されたと同時に、N Engl J Med 2021年5月13日オンライン版に掲載された。