リツキシマブが全身性強皮症に対する有効性を初めて証明
東大・多施設共同医師主導治験
2021年05月28日 16:06
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東京大学病院皮膚科教授の佐藤伸一氏らは5月27日、全身性強皮症(以下、強皮症)に対する多施設共同医師主導治験の結果を報告。リツキシマブの投与によるB細胞除去療法が、強皮症の皮膚硬化に対し有効であることを発表した。
56人の強皮症患者が参加した同治験では、リツキシマブもしくはプラセボの投与から24週後において、主要評価項目で皮膚硬化の指標である修正ロドナンスキンスコアと、副次評価項目で肺線維症の指標である%努力性肺活量を比較。プラセボ投与群と比べ、リツキシマブ投与群で両指標を有意に改善した。
これまで皮膚硬化に対する有効性を証明できた薬剤は存在せず、今回の治験は世界で初めての報告であるとしている。
今回の結果を受け、同薬の製造販売元である全薬工業は、医薬品医療機器総合機構に薬事承認申請を行っている。
なお、治験結果の詳細などはLancet Rheumatol(2021年5月26日オンライン版)に掲載された。