急性肝性ポルフィリン症治療薬ギボシランナトリウムが国内承認
2021年06月23日 15:56
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Alnylam Japanは本日(6月23日)、アミノレブリン酸合成酵素1(ALAS1)を標的とするRNAi治療薬ギボシランナトリウム(商品名ギブラーリ)について、急性肝性ポ ルフィリン症(AHP)を適応とした治療薬として厚生労働省から製造販売承認を取得したと発表した。
同薬は、ALAS1メッセンジャーRNA(mRNA)を特異的に低下させることで、ポルフィリン体などの蓄積量を減らし、AHPの急性発作やその他の症状の発現に関連する神経毒性を減少させるとされる。日本国内における2成分目のRNA干渉(RNAi)治療薬であり、同社が日本国内で上市・販売する2番目の製品となる。
AHPは、重症かつ原因不明の腹痛、嘔吐および痙攣などの急性かつ消耗性の発作を特徴とする、遺伝性のまれな代謝性疾患。遺伝子変異により肝臓内のヘム産生に必要な特定の酵素が欠如することで生じ、これによりヘム生成の途中段階で作られる神経毒性を持つ物質(ポルフィリン体など)が蓄積する。労働年齢や出産年齢の女性に偏って発生し、症状はさまざまとされる。今回の承認は、AHP患者を対象にギボシランナトリウムの有効性および安全性を検証した第Ⅲ相試験ENVISIONに基づく。