世界の結核死者が増加 新型コロナの影響で―WHO〔時事メディカル〕
2021年10月15日 15:25
【ジュネーブAFP時事】世界保健機関(WHO)は14日、2020年の結核の死者が世界で約150万人となり、10年以上ぶりに増加に転じたと発表した。医療財源が新型コロナウイルス対策に振り向けられたほか、ロックダウン(都市封鎖)で治療へのアクセスに支障が出たことが影響した。
WHOのテドロス事務局長は声明で、「パンデミックのため医療サービスが崩壊し、結核に対する長年の進展が白紙に戻りかねない」と懸念を表明。結核対策への資金手当てなどに緊急に取り組む必要があると訴えた。
WHOによると、結核による死者は感染症としては新型コロナに次いで世界で2番目に多い。アジアやアフリカなどの貧困国を中心とした30カ国での感染が大半で、感染者・死者数が21年と22年にさらに増える恐れがあるという。
(2021年10月15日 時事メディカル)