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第29回 日本消化器関連学会週間(JDDW 2021)

早期消化管癌の深達度診断と治療戦略 (Invasion depth and treatment strategies for early-stage gastrointestinal cancer)

2021年11月05日 06:45

2名の医師が参考になったと回答 

International Session (Panel Discussion)1 提案:日本消化器病学会

本日 9:00〜12:00 第11会場

司会 高山 哲治氏 徳島大大学院・消化器内科学
藤城 光弘氏 東京大・消化器内科
Discussant 辻 陽介氏 東京大附属病院・消化器内科
阿部 清一郎氏 国立がん研究センター中央病院・内視鏡科
演者 田中 匡実氏 虎の門病院・消化器内科
田尻 絢香氏 大阪国際がんセンター・消化管内科
大木 大輔氏 東京大大学院・消化器内科
池之山 洋平氏 がん研有明病院・消化器内科
辻井 芳樹氏 大阪大大学院・消化器内科学
松田 宜賢氏 名古屋大大学院・消化器内科学
松浦 倫子氏 慶應義塾大・腫瘍センター・低侵襲療法研究開発部門
Shannon Melissa Chan氏 The Chinese University of Hong Kong
Tanyaporn Chantarojanasiri氏 Division of Gastroenterology, Department of Medicine, Rajavithi Hospital, Rangsit University
冨田 侑里氏 京都府立医大・消化器内科学
細谷 和也氏 神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科
三澤 将史氏 昭和大横浜市北部病院・消化器センター

 早期の消化管(食道・胃・小腸・大腸)がんでは、内視鏡治療後に侵襲性の高い治療法を導入せざるをえないケースが散見され、治療前の内視鏡診断が重要となる。診断には通常の内視鏡検査に加え、超音波内視鏡(EUS)、画像強調内視鏡(IEE)、狭帯域光観察(NBI)拡大内視鏡などが用いられるが、各病変に対する最適な診断法の指標はなく、内視鏡治療後の治療方針決定にかかわる重要な因子についてのコンセンサスも得られていない。

エビデンスが少ない咽頭、食道胃接合部、十二指腸がんも網羅

 本セッションでは早期消化管がんの中でも内視鏡治療が適応となる深達度のがんの診断および治療法について、最適解となりうる知見を紹介する。

 咽頭がんのTNM分類に基づく診断には腫瘍径が用いられるが、田中匡実氏は296例の解析から、腫瘍の厚み1,000μmがリンパ節転移の有力な危険因子となる可能性を示す。

 食道がんでは、田尻絢香氏と大木大輔氏が食道扁平上皮がん、池之山洋平氏が食道胃接合部がんについて紹介。田尻氏は、内視鏡下でT1a-EP(粘膜上皮)/LPM(粘膜固有層)と診断された1,200例超を後ろ向きに解析し、直径50mm以上または3/4周以上の症例では後治療を要することを示す。大木氏は、内視鏡治療後に通常後治療を行う深達度MM(粘膜筋板)症例のうち、MMかつリンパ管浸潤のない56例での検討を提示。このような症例への後治療追加の是非を問う。池之山氏は、早期食道胃接合部がんのNBI拡大内視鏡所見と深達度との関連を後ろ向きに検討。外科的手術が必要な患者像を示す。

 辻井芳樹氏は、粘膜下層(SM)浸潤疑いの胃がん症例を対象とした、通常の内視鏡検査とEUSによる正診率を調査する多施設共同前向き試験の結果を報告する。

 十二指腸がんはわが国では希少がんに分類され、診断学が確立していない。表層性非乳頭十二指腸上皮性腫瘍(SNADET)例について、松田宜賢氏は深達度が粘膜(M)/SM例へのEUSの有用性の検証を、松浦倫子氏はEUSが有用な可能性がある病変の同定を試みた。

 大腸がんでは、冨田侑里氏、細谷和也氏、三澤将史氏が登壇。冨田氏は欧米で用いられるLEDによるBlue Laser Imaging(BLI)と日本で使用されるLASER-BLIの診断結果を日本、アジア、欧米で比較。細谷氏は、NBI拡大内視鏡分類でType 2Bに分類される病変に拡大色素内視鏡観察を加えることで診断率が向上し、適切に内視鏡治療を実施できることを示す。三澤氏は、大腸腫瘍20病変・500枚の超拡大内視鏡画像を基に人工知能で診断し、浸潤がんを高率に診断できることを紹介する。

 海外からはShannon Melissa Chan氏が早期食道がんおよび胃がん例を対象にEUSとNBI拡大内視鏡を用いた正診率と診断率について、Tanyaporn Chantarojanasiri氏が乳頭部腫瘍に対するEUSの感度と特異度、治療の適応などについて触れる。

 司会の高山哲治氏は「本セッションで発表されるデータや議論を通して、内視鏡を用いた深達度診断や治療のエビデンスを構築し、内視鏡治療発展に寄与することを期待する」と述べている。

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