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第29回 日本消化器関連学会週間(JDDW 2021)

進行・再発消化器癌に対する conversion therapyの適応と限界

2021年11月06日 06:40

13名の医師が参考になったと回答 

パネルディスカッション9 提案:日本消化器外科学会

本日 9:00〜11:30 第1会場

司会 掛地 吉弘氏 神戸大大学院・食道胃腸外科学
調 憲氏 群馬大大学院・肝胆膵外科学
演者 張野 誉史氏 大阪大大学院・消化器外科学
大沼 啓之氏 札幌医大・腫瘍内科
齋藤 心氏 自治医大・消化器・一般外科
竹野 淳氏 関西労災病院・外科
野澤 宏彰氏 東京大大学院・腫瘍外科学
沖田 憲司氏 札幌医大・消化器・総合、乳腺・内分泌外科
和田 浩志氏 大阪国際がんセンター・消化器外
柳本 泰明氏 神戸大・肝胆膵外科
山田 豪氏 名古屋セントラル病院・外科
吉田 雄太氏 近畿大病院・外科(肝胆膵部門)
岸和田 昌之氏 三重大附属病院・肝胆膵外科
長井 美奈子氏 奈良県立医大・消化器・総合外科

 conversion therapyとは、診断時に切除不能だった進行・再発がんに対して化学療法を行い、奏効した症例に根治手術を施行する治療戦略である。従来、手術を中心とした概念として"conversion surgery"の呼称が用いられていたが、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬といったがん薬物療法の進展に伴い、近年は非外科的治療も重視した戦略にシフトしてきている。司会の掛地吉弘氏は「本セッションでは、消化器領域におけるconversion therapyの主要トピックが網羅されている。治療の全体像を俯瞰した上で各臓器における適応や介入のタイミングを学び、化学療法から手術に至る治療戦略を習得してほしい」と呼びかける。

一段階先の診断、化学療法、手術に期待

 消化器がんは内視鏡検査、CTやMRIによる画像検査、血液検査、腫瘍マーカー検査などに基づき診断されるが、進行がんでは病変の範囲を捉えることが難しく、より正確な診断技術や適応判断基準が求められている。そこで本セッションではconversion therapyの適応をめぐり、張野誉史氏がT4b食道がんに対する術前MRI診断の有用性を、長井美奈子氏が切除不能局所進行膵がんにおける腫瘍マーカー測定の意義を報告する。

 消化器がんの薬物療法では多剤併用療法への転換が期待されており、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を含むレジメンの検討が進められている。conversion therapyにおける薬物療法について、大沼啓之氏はStage Ⅳ胃がんへの3剤併用療法、齋藤心氏は腹膜播種陽性胃がんへのパクリタキセル腹腔内投与を併用したSOX療法の有用性をそれぞれ報告。また沖田憲司氏は、進行再発大腸がんの初回治療におけるXELOXIRI+セツキシマブ療法の有効性を取り上げる予定だ。

 手術に関しては、標準的な介入タイミングの設定が課題だ。この点について岸和田昌之氏が局所進行膵がんのconversion therapyにおける手術のタイミングについて報告する他、自施設におけるconversion surgeryの事例として、和田浩志氏が切除不能胆道がん、山田豪氏と吉田雄太氏が局所進行切除不能膵がんに対する治療成績をそれぞれ報告する。

 他にも、自施設発のエビデンスとして野澤宏彰氏が大腸がん同時性肝転移症例におけるconversion therapyの予後マーカーを探索した報告を行う他、竹野淳氏が多施設共同研究に基づくStage Ⅳ胃がんに対するcon­ver­sion therapyの予後評価指標を、柳本泰明氏が切除不能・境界胆道がんに対する集学的治療の有用性を取り上げる。

 conversion therapyのさらなる進歩について、「診断、化学療法、手術のいずれもがもう一段階進む必要がある」と掛地氏。「conversion therapyはいまだ治療概念として確立されていないため、今後の検証が重要となる。薬物療法の進展により、どこまで組織学的治療効果が高まるかも期待される」と展望し、「患者にとってより良い治療とは何かをこのセッションでしっかりと議論し、明日からの治療につなげていきたい」と述べている。

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