病院機構汚職、元課長を3回聴取したが癒着を見抜けず〔読売新聞〕
2022年05月13日 14:33
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独立行政法人「国立病院機構」の下志津病院(千葉県四街道市)を舞台とした汚職事件で、収賄容疑で逮捕された同病院元企画課長の 安彦あびこ 昌人容疑者(60)が機構の内部調査に対し、贈賄側の会社からの接待などを申告していなかったことが機構への取材でわかった。機構は3回にわたり安彦容疑者を聴取したが、癒着を見抜けなかった。
機構によると、贈賄側の電気製品販売会社「小松電器」(同県船橋市)と職員の癒着に関する内部通報に基づき、昨年2月に調査を開始。関東を中心に32病院の契約担当者約400人を対象に聞き取りを行い、職員のメールの記録も確認した。安彦容疑者も3回聴取を受けたが、接待などを明かさず、メールの調査でも突き止められなかった。
機構は今年3月に調査結果をまとめ、不適切な接待があったなどとして職員28人を懲戒解雇や停職などの処分としたが、安彦容疑者は対象外だった。ほかに、管理監督責任があったとして職員46人を処分対象にしており、安彦容疑者はその中に含まれていた。
警視庁の捜査では、安彦容疑者が小松電器社長の松丸隆行容疑者(43)(贈賄容疑で逮捕)から繰り返し旅行や飲食の接待などを受けていたことが判明。安彦容疑者は11日、病院発注工事を巡って小松電器に便宜を図った見返りに約90万円相当の接待などを受けたとして逮捕された。
警視庁は13日、安彦容疑者を収賄容疑で、松丸容疑者を贈賄容疑でそれぞれ東京地検に送検した。
(2022年5月13日 読売新聞)