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SGLT2阻害薬で糖尿病患者の呼吸器疾患改善

香港・約3万例の後ろ向きコホート研究

2023年01月23日 15:55

483名の医師が参考になったと回答 

イメージ画像 © Adobe Stock ※画像はイメージです

 中国・University of Hong KongのPhilip C.M. Au氏らは、香港の2型糖尿病患者約3万例の電子医療データを用いて、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および喘息を含む閉塞性気道疾患(OAD)に対するSGLT2阻害薬とDPP-4阻害薬の有効性を比較検討する後ろ向きコホート研究を実施。その結果、DPP-4阻害薬と比べてSGLT2阻害薬はOADの初発リスクおよび増悪率を有意に低下させたとJAMA Netw Open2023; 6: e2251177)に発表した。

prevalent new-user designで過去のDPP-4阻害薬投与を考慮

 解析対象は、香港でSGLT2阻害薬の処方が可能になった2015~18年にSGLT2阻害薬またはDPP-4阻害薬を処方された2型糖尿病患者3万385例。主要評価項目はOADの初発および増悪とした。

 傾向スコアマッチング法を用いてSGLT2阻害薬群とDPP-4阻害薬群の年齢、性、併存疾患、併用薬などの因子をマッチングした。さらに、臨床診療においてはDPP-4阻害薬からの切り替えでSGLT2阻害薬の使用を開始する患者(既使用例:prevalent users)が多いことから、prevalent new-user designを用いて過去にDPP-4阻害薬に曝露した期間でのマッチングも行った。

DPP-4阻害薬群と比べ初発35%低下、増悪46%低下

 OAD未発症の2万8,480例〔SGLT2阻害薬群5,696例(平均年齢61.0歳、男性56.3%、DPP-4阻害薬既使用例60.0%)、DPP-4阻害薬群2万2,784例(同61.2歳、男性55.9%)〕を中央値で2.2年追跡した。

 解析の結果、DPP-4阻害薬群に対するOAD初発リスクはSGLT2阻害薬群で35%有意に低かった〔ハザード比(HR)0.65、95%CI 0.54~0.79、P<0.001〕。

 サブグループ解析において、同様の関連が男性(HR 0.66、95%CI 0.51~0.86、P=0.002)、女性(同0.73、0.54~0.97、P=0.03)の両方で認められた。

 OADの診断歴を有するSGLT2阻害薬群381例(DPP-4阻害薬既使用例54.0%)とDPP-4阻害薬群1,524例の計1,905例(平均年齢62.2歳、男性51.0%)の解析では、DPP-4阻害薬群に対するOAD増悪率はSGLT2阻害薬群で46%有意に低かった(発生率比0.54、95%CI 0.36~0.83、P=0.01)。

 以上の結果から、Au氏らは「2型糖尿病患者のOADに対し、SGLT2阻害薬が保護作用を有することが示された」と結論している。そのメカニズムについて、同氏らは「抗炎症作用が関与している可能性がある」と指摘。「マウスを用いた実験では、SGLT2阻害薬が腎細胞および肝細胞における炎症マーカーの発現を抑制することが示されており、2型糖尿病患者のコホート研究でもSGLT2阻害薬が炎症マーカーを抑制し抗炎症サイトカインを増加させることが報告されている。さらに、SGLT2阻害薬は喘息の気道炎症やCOPD増悪との関連が指摘されているNLRP3インフラマソームの活性化を阻害することが示されている」と説明している。

(太田敦子)

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