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コロナ下でがん検診受診率1〜3割減

2023年02月03日 13:44

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イメージ画像 © Adobe Stock ※画像はイメージです

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大に伴い、がん検診受診者が世界規模で大幅に減少しており、診断や治療の遅れによる影響が懸念されている。日本では2020年4月7日〜5月25日に第1回緊急事態宣言が発出され、この間、厚生労働省は自治体に対し集団検診の一時中止や延期を要請した経緯がある。国立がん研究センターがん対策研究所がん医療支援部の町井涼子氏らは、日本のがん検診受診者数はCOVID-19流行前と比べ、流行期には約1〜3割減少していたとCancer Epidemiol (2023; 82: 102313)に報告した。

減少率が最も大きかったのは胃がん検診

 町井氏らは、日本におけるCOVID-19流行期のがん検診受診者数の変化を評価する目的で、厚労省地域保健・健康増進事業報告データを用いた後ろ向き研究を実施。COVID-19流行期を2020年度(2020年4月〜21年3月)、対照期をCOVID-19流行前に当たる2017〜19年度(2017年4月〜20年3月)とし、厚労省が推奨する胃がん〔上部消化管X線造影検査(UGI)または胃内視鏡検査〕、肺がん(胸部X線検査)、大腸がん(便潜血検査)、子宮頸がん(子宮頸部細胞診検査)、乳がん(マンモグラフィ)の受診者数を調べ、変化率を算出した。

 その結果、COVID-19流行前と比べ、流行期には全てのがん検診で受診率が約1〜3割減少していた。減少率が最も大きかったのはUGIによる胃がん検診で(受診者数282万人→191万人、減少率−32.2%)、次いで乳がん検診(同310万人→257万人、−17.2%)、肺がん検診(792万人→659万人、−16.7%)、大腸がん検診(842万人→730万人、−13.4%)、子宮頸がん検診(426万人→377万人、−11.6%)、内視鏡検査による胃がん検診(102万人→93万人、−9.0%)の順だった。

診断や死亡率への影響を注意深く調査すべき

 町井氏らは「日本のCOVID-19流行期におけるがん検診受診者数の変化を初めて報告した。コロナ下でがん検診受診者数はおよそ10〜30%減少しており、減少率は胃がん検診が最も大きかった。今後は、こうした変化ががんの診断や死亡率に及ぼす影響を注意深く調査する必要がある。まずはCOVID-19収束後のがん検診受診者が流行前の水準に戻るかどうかを確認することが重要だ」と述べている。

編集部

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