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脊髄性筋萎縮症、新生児への介入で予後改善

早期のスクリーニングと疾患修飾療法

2023年02月07日 05:00

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イメージ画像 © Adobe Stock ※画像はイメージです

 脊髄性筋萎縮症(SMA)は、新生児スクリーニングにより迅速な診断や治療へのアクセスが円滑化するとされるが、臨床試験は限定的で均質な患者集団を対象としており、一般化するにはエビデンスに乏しい。オーストラリア・Sydney Children's Hospital NetworkのDidu S. Kariyawasam氏らは、実臨床における脊髄性筋萎縮症への介入として新生児スクリーニングと疾患修飾療法へのアクセスの組み合わせの有効性を評価する前向き非ランダム化コホート研究を実施。症状が発現してから診断された患児と比べ、新生児スクリーニングに基づき早期治療介入が導入された患児では歩行を含む運動機能が向上したと、Lancet Child Adolesc Health2023年1月17日オンライン版)に報告した。

79%が歩行可能に、運動機能の改善も良好

 対象は、SMN1遺伝子エクソン7のホモ接合性欠失を有する脊髄性筋萎縮症患児33例。新生児スクリーニングで脊髄性筋萎縮症と診断され早期の治療介入が行われた患児15例〔女児8例、診断時年齢中央値2.1週(四分位範囲1.9〜2.7週)〕を介入群、症状が発現してから脊髄性筋萎縮症と診断された患児18例(同9例、47.8週(13.0〜99.9週)〕を対照群とし、2年後の歩行能力などを比較検討した。治療開始時の年齢中央値は介入群で3.9週、対照群で49.9週だった。治療の内訳は、ヌシネルセンがそれぞれ8例、16例、オナセムノゲン アベパルボベクが5例、0例、緩和ケアが1例、2例など。

 診断から2年後の生存児は、対照群が18例中16例(89%)、介入群が15例中14例(93%)。そのうち、WHO運動マイルストーンの「自力で歩く」または「補助ありで歩く」を達成したのは、対照群の1例(6%)に対し、介入群では11例(79%)だった(χ²=16.27、P<0.0001)。

 2年後に評価した乳幼児運動機能発達評価尺度ハマースミス乳幼児神経学的検査2(HINE-2:0〜26点、高スコアほど運動機能が良好)スコアの変化は、対照群に比べ介入群で有意に大きく(群間差12.32点、P<0.0001)、運動機能の良好な改善効果が認められた。

早期介入により運動機能が強力かつ有意に改善

 治療開始年齢と運動機能との関連を検討したところ、対照群では治療開始年齢と運動機能改善との間に負の相関が認められた(HINE-2スコア:r=-0.41、P=0.13、WHO運動マイルストーン:r=-0.17、P=0.54)。一方、介入群では治療開始年齢と運動機能改善との間に強力かつ有意な正の相関が認められた(HINE-2スコア:r=0.74、P=0.009、WHO運動マイルストーン:r=0.67、P=0.02)。

 対照群では非侵襲的換気または食事支援との関連が示された(オッズ比7.1、95%CI 0.74〜70.20)。また、診断から2年後にHINE-2スコアで評価する運動機能転帰の予測因子として、診断時のHINE-2スコア(P=0.0022)、フィラデルフィア小児病院乳児神経筋疾患検査(CHOP-INTEND、P=0.0001)、複合筋活動電位(CMAP、P=0.0006)、疾患の状態(P=0.023)が抽出された。

 以上の結果を踏まえ、Kariyawasam氏らは「新生児スクリーニングと疾患修飾療法の併用は、脊髄性筋萎縮症患児の運動機能の進展と機能的自立の改善を促し、脊髄性筋萎縮症関連合併症を抑制する」と結論。「今回の知見は、厳格な適格基準による限られた患者集団を対象とした臨床試験のみだったエビデンスの穴を埋めるものである」と付言している。

(菅野 守)

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