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中等・重症アトピーに新規抗IL-13抗体が有効

ステロイド外用薬と併用の第Ⅲ相試験

2023年02月08日 15:21

247名の医師が参考になったと回答 

 米・Oregon Health & Science UniversityのEric L. Simpson氏らは、青年(12歳以上18歳未満、体重40kg以上)および成人の中等症~重症アトピー性皮膚炎(AD)患者211例を対象に、ステロイド外用薬(TCS)への抗インターロイキン(IL)-13抗体lebrikizumabの有効性と安全性を第Ⅲ相プラセボ対照ランダム化比較試験ADhereで検討。その結果、TCS単独に比べlebrikizumab上乗せは16週時のADの重症度、瘙痒、QOLを有意に改善したとJAMA Dermatol2023年1月11日オンライン版)に発表した(関連記事「中等症~重症のアトピー性皮膚炎への抗IL-13抗体lebrikizumabが第Ⅲ相試験で奏効」)。

IGA 0/1およびEASI75達成率が向上

 同試験ではドイツ、ポーランド、カナダ、米国の54施設で青年および成人の中等症~重症AD患者211例(平均年齢37.2歳、女性48.8%)を登録。low~medium potencyのTCSにlebrikizumabを上乗せするLEB併用群(ベースラインと2週時に500mg負荷投与後、2週間に1回250mg投与)とプラセボを上乗せするTCS単独群に2:1でランダムに割り付けて16週間治療した。

 有効性の主要評価項目は、16週時の医師による包括的評価(IGA)スコアがベースラインから2ポイント以上改善し0(皮疹の完全消失)または1(ほぼ消失)となった患者の割合(IGA 0/1達成率)とした。副次評価項目は、16週時の湿疹面積・重症度指数(EASI)スコアがベースラインから75%以上改善した患者の割合(EASI75達成率)などとした。

 解析の結果、TCS単独群と比べてLEB併用群では16週時のIGA 0/1達成率(22.1% vs. 41.2% 、P=0.01)およびEASI75達成率(42.2% vs. 69.5%、P<0.001)が有意に高く、これらの有意差はそれぞれ8週時および4週時から認められた。

痒み、睡眠障害、QOLも有意に改善

 また、TCS単独群と比べてLEB併用群では16週時のEASI90達成率(21.7% vs. 41.2%、P=0.008)、痒みの評価尺度(NRS)の4ポイント以上の改善(31.9% vs. 50.6%、P=0.02)、痒みによる睡眠障害の指標Sleep-Loss Scaleのベースラインからの変化率(-0.8 vs. -1.1、P=0.02)、皮膚疾患がQOLに及ぼす影響の指標Dermatology Life Quality Index(DLQI)の4ポイント以上の改善(58.7% vs. 77.4%、P=0.04)をはじめ、主な副次評価項目の有意な改善が見られた。

 安全性の評価では、治療下で発現した有害事象(TEAE)の大部分は軽度~中等度だった。重篤な有害事象の発現率はTCS単独群(1.5%)とLEB併用群(1.4%)で同等だった。

 TCS単独群と比べてLEB併用群で発現率が高かったTEAEは、結膜炎および頭痛(各4.8%)、ヘルペス感染症(3.4%)、高血圧および注射部位反応(各2.8%)だった。TCS単独群におけるこれらの発現率は1.5%以下だった。

 以上を踏まえ、Simpson氏らは「TCSへのlebrikizumab上乗せは、TCS単独に比べて青年および成人の中等症~重症AD患者の転帰を有意に改善し、安全性は既報と同等だった」と結論。「今回の試験期間は16週だったが、lebrikizumabの長期(2年)有効性および安全性を評価する延長試験ADjoinが進行中」と付言している。

(太田敦子)

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