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GLP-1製剤、重大副作用に胆囊炎、胆管炎

厚生労働省が添付文書改訂を指示

2023年02月15日 17:34

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 厚生労働省医薬・生活衛生局は2月14日、GLP-1受容体作動薬など糖尿病治療薬10製剤の添付文書の改訂を指示した。重大な副作用の項に「胆囊炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸」を追記する。GIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドに関しては、投与後に急性胆道系疾患の症例集積はないものの「GLP-1受容体作動薬と同様の副作用が起こる可能性は否定できない」と判断され、改訂の対象となる。

インスリン配合製剤2剤も対象

 添付文書の改訂の対象となる薬剤は、①リラグルチド(商品名ビクトーザ皮下注18mg)、②エキセナチド(バイエッタ皮下注5μgペン300、皮下注10μgペン300、ビデュリオン皮下注2mgペン)、③リキシセナチド(リキスミア皮下注300μg)、④デュラグルチド(トルリシティ皮下注0.75mgアテオス)、⑤セマグルチド(オゼンピック皮下注0.25mgSD、皮下注0.5mgSD、皮下注1.0mgSD、皮下注2mg、リベルサス錠3mg、錠7mg、錠14mg)、⑥インスリン デグルデク/リラグルチド(ゾルトファイ配合注フレックスタッチ)、⑦インスリン グラルギン/リキシセナチド(ソリクア配合注ソロスター)、⑧チルゼパチド(マンジャロ皮下注2.5mgアテオス、皮下注5mgアテオス、皮下注7.5mgアテオス、皮下注10mgアテオス、皮下注12.5mgアテオス、皮下注15mgアテオス)ーの10製剤。

 改訂内容は、①~⑦では添付文書の「重要な基本的注意」の項に、胆石症、胆囊炎、胆管炎または胆汁うっ滞性黄疸に関する注意を追記、⑧では「重要な基本的注意」の項における、急性胆道系疾患に関する注意を、胆石症、胆囊炎、胆管炎または胆汁うっ滞性黄疸に関する注意に変更。さらに①~⑧の「重大な副作用」の項に「胆囊炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸」を追記するもの。

海外文献で急性胆道系疾患のリスク上昇を示唆する報告も

 今回、GLP-1受容体作動薬含有製剤投与後に発生した、急性胆道系疾患関連事象の国内症例の因果関係評価および使用上の注意の改訂の要否について、専門委員の意見を聴取した結果、下記の点を考慮し、全てのGLP-1受容体作動薬含有製剤の使用上の注意を改訂することが適切と判断された。▽GLP-1受容体作動薬含有製剤と急性胆道系疾患関連症例(胆囊炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸)との因果関係が否定できない国内症例が集積したこと、▽ GLP-1受容体作動薬の胆囊収縮抑制作用などの薬理機序から、胆石発生が促され、胆囊炎などの急性胆道系疾患が引き起こされる可能性があること、▽GLP-1受容体作動薬の使用により急性胆道系疾患のリスク上昇を示唆する公表文献が複数報告されていること(JAMA Intern Med 2022; 182: 513-519JAMA Intern Med 2016; 176: 1474-1481 )などを挙げている(関連記事「GLP-1作動薬で胆囊・胆道疾患リスク上昇」「GLP-1アナログで胆管・胆嚢疾患リスク上昇」。

 PMDAの副作用等報告データベースに登録された急性胆道系疾患関連症例の集積状況は、デュラグルチドが23例(医薬品と因果関係が否定できない例は6例)、リラグルチドが13例(同8例)、リキシセナチドが4例(同1例)、エキセナチドおよびセマグルチドが各3例(同各1例)、インスリン デグルデク/リラグルチドおよびインスリン グラルギン/リキシセナチドが各1例(同各0例)だった。チルゼパチドは関連症例の報告なかった。なお、いずれの製剤とも死亡事例の報告はなかった。

(小沼紀子)

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