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新規インターフェロン療法がコロナに著効

peg-INF-λの第Ⅲ相TOGETHER試験

2023年02月16日 16:25

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イメージ画像 © Adobe Stock ※画像はイメージです

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した細胞では、上気道感染に対する初期防御反応としてⅢ型インターフェロン(INF)の発現が誘導される。そこで、外因性INFが抗ウイルス免疫を刺激することで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の早期治療効果が得られるかが注目されている。米・Stanford Biosecurity/Pandemic Preparedness InitiativeのGilmar Reis氏らは、外来を受診したCOVID-19患者に対するpeg-INF-λ単回投与の有効性を第Ⅲ相試験TOGETHERで検討。プラセボ投与に比べ51%の有意なリスク低減が認められたとN Engl J Med2023; 388: 518-528)に報告した。

対象は発症後7日以内の外来患者約2,000例

 peg-INF-λは、これまでB・C・D型肝炎やCOVID-19などに対する臨床試験が20件以上行われ(4,000例以上に投与)、十分な安全性が確認されている。SARS-CoV-2に対してはin vitroおよびin vivoで強力な抗ウイルス活性を示し、第Ⅱ相試験でも有効性が示されたことから、このたび第Ⅲ相試験TOGETHERを実施した。

 対象は、ブラジルとカナダで登録したCOVID-19発症後7日以内で大半がワクチン接種済みの外来患者1,951例。peg-INF-λ群(933例、180μgを単回皮下注射)とプラセボ群(1,018例)にランダムに割り付け、28日以内の予後を検討した。

入院または救急受診リスクが51%減

 検討の結果、主要複合評価項目とした治療開始後28日以内の入院/三次病院への転院または救急受診(6時間超の観察と定義)の発生率は、プラセボ群の5.6%(57/1,018例)に対し、peg-INF-λ群では2.7%(25/931例)と有意に51%低減した(相対リスク0.49、95%ベイズ確信区間0.30〜0.76、プラセボに対する優越性の事後確率>99.9%)。

 副次評価項目としたCOVID-19による入院までの期間(ハザード比0.57、95%ベイズ確信区間0.33〜0.95)、COVID-19関連入院/死亡までの期間(同0.59、0.35〜0.95)でも一貫してリスク低下が認められた。

 また、peg-INF-λ群ではベースラインで高ウイルス量(192copies/mL超と定義)を認めた全患者で7日目に治療効果が認められ、プラセボ群に比べ7日目までのウイルス量の減少幅が大きかった。さらに、ベースラインで高ウイルス量を認めた患者では、7日目で定量下限値(1,000copies/mL以上と定義)を下回った割合がプラセボ群に比べpeg-INF-λ群で多かった(32.9% vs. 50.5%、オッズ比2.13、95%ベイズ確信区間1.14〜4.00)。ただし、ベースラインで低ウイルス量の患者では両群ともウイルス量の減少は認められなかった。これらの効果はSARS-CoV-2変異株の種類を問わず一貫しており、ワクチン接種状況にかかわらず認められた。

 以上の結果について、Reis氏らは「発症後7日以内のCOVID-19外来患者では、プラセボ投与に比べpeg-INF-λ単回投与で入院または救急受診の発生率が有意に低かった」と結論。「変異株の種類を問わず、peg-INF-λの単回投与レジメンはCOVID-19治療において有用な可能性がある」と付言している。

(山田充康)

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