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円形脱毛症、アジア系で有病率高い

米・100万例対象の横断研究

2023年03月08日 17:26

425名の医師が参考になったと回答 

イメージ画像 © Adobe Stock ※画像はイメージです

 円形脱毛症は一般に無症候性であるが、QOLに重大な影響を及ぼし、不安やうつ病などの気分障害リスクの上昇とも関連する。しかし、有病率はよく分かっていない。米・Northwell HealthのNene Sy氏らは、米国における円形脱毛症およびサブタイプの有病率と人種・民族別の有病率について約100万例を対象に調査。その結果、米国における円形脱毛症の有病率は特にアジア系をはじめとする有色人種で高く、重大な負担を抱えていることが示唆されるとJAMA Dermatology2023年3月1日オンライン版)に発表した。

40超の医療機関、40万人の医療専門家から成るデータベースを使用

 Sy氏らは、Explorys Databaseにおける2019年1~12月の電子医療記録データを後ろ向きに解析する横断研究を行った。このデータベースは、米国の4つの国勢調査地域における40を超える医療機関、40万人の医療専門家および約5,300万例から成るマルチヘルスシステム研究プラットホーム。米国の特定の人口統計集団だけでなく、ヘルスケアを必要とする集団における円形脱毛症およびそのサブタイプの有病率を推定することを目的とした。

 円形脱毛症患者は、少なくとも1つの記録された国際疾病分類第9版(ICD-9)または第10版(ICD-10)コードに基づいて特定。サブタイプは、頭髪全てが喪失した全頭型脱毛症(ICD-10コードL63.0)、体毛全てが喪失した汎発性脱毛症(L63.1)の1つ以上の記録に基づき特定した。

 有病率は、研究期間中において各症例の定義を満たす患者数を総患者数で割ったものとして算出。対象患者全体、年齢別、男女別、人種別に標準化された有病率を推定した。

有病率は男性より女性で高く、30歳代、40歳代が最多

 適格基準を満たした患者は109万3,176例、そのうち1,812例が円形脱毛症の少なくとも1つのICDコードを有していた。年齢と性別を調整した10万人当たりの有病率は全体で176例(95%CI:168〜185例)だった。

 女性の有病率は男性の1.32倍(95%CI:1.19〜1.46倍)だった。

 年齢層別に見ると、10万人当たりの有病率が最も高かったのは30〜39歳(297例、95%CI:263〜335例)で、次いで40〜49歳(270例、同240〜303例)であった。また、0〜17歳の小児でも104例(同92〜116例)に上った。

アジア系の有病率は白人の2.47倍

 人種・民族別に見ると、10万人当たりの有病率が最も高いのはアジア系の414例(95%CI:306〜548例)で、最も低いのは白人の168例(同157〜179例)だった。

 白人患者と比べて、アジア系、黒人、ヒスパニック/ラテン系の有病率は、それぞれ2.47倍(95%CI:2.17〜2.81倍)、1.35倍(同1.26〜1.44倍)、1.26倍(同1.03〜1.55倍)と、いずれも高かった。

 全頭脱毛症または汎発性脱毛症の割合は円形脱毛症と診断された患者の約9%を占め、有病率は10万人当たり11.6例(95%CI:9.7〜13.8例)であった。

 年齢別に見ると、18歳以上が10万人当たり12.9例(95%CI:10.6〜15.5例)、17歳以下は8.8例(同5.6〜13.1例)で、加齢に伴い有病率は上昇した。

 サブタイプの有病率は全体の円形脱毛症の傾向とほぼ一致していた。

 Sy氏らは「今回の研究結果から、有色人種、特にアジア系米国人で円形脱毛症の有病率が高く、重大な疾病負担を抱えていることが示唆された」と述べている。

(宇佐美陽子)

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