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コロナ予防にBCGワクチンは効果低い可能性

システマチックレビューとメタ解析

2023年03月14日 17:13

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 BCGは結核予防だけでなく、さまざまな細菌やウイルスから体を防御する有益なオフターゲット効果を有することが知られている。中国・Sichuan UniversityのJiayu Wen氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防に対するBCGワクチン接種の有効性を評価するため、ランダム化比較試験(RCT)のシステマチックレビューとメタ解析を実施。解析の結果、BCGワクチン接種はCOVID-19の罹患や重症化に対し有意な抑制効果を有さない可能性が示されたと、J Clin Med2023; 123: 1154)で報告した。

約8,000例のコロナ陽性例を含む9件のRCTを評価

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンと異なりBCGワクチンは、抗原に依存しない方法で抗ウイルス宿主防御を強化することから、ウイルス変異が高頻度な状況ではより有益である可能性がある。しかし、近年の複数の研究の結果、COVID-19罹患の予防にBCGワクチンの有効性については議論の余地があるとされる。

 Wen氏らは、2019年1月1日~22年11月15日にPubMed、EMBASE、Cochrane Library、Web of Scienceに掲載されたプラセボまたは無治療対照RCTの論文を検索。最終的に2022年に報告された9件のRCTを抽出した。PCR検査または迅速抗原検査によりCOVID-19と診断された18歳以上の7,963例が含まれていた。追跡期間は3~15カ月だった。

 主要評価項目はCOVID-19罹患率とした。固定効果モデルを使用した解析の結果、対照群と比べBCGワクチン接種群ではCOVID-19罹患率の有意な低下は見られなかった〔オッズ比(OR)0.96、95%CI 0.82~1.13〕。解析対象としたRCT間での不均一性は低かった(I2 =4%、P=0.4)。また、Leave-one-out感度分析でも結果は変わらなかった。

 さらに、BCG株に基づいたサブ解析でも、BCG株のタイプにより免疫応答の強さは異なっていたが、COVID-19罹患率は同等だった。

入院率、ICU入室率、死亡率にも有意差なし

 副次評価項目は、COVID-19罹患による入院率、ICU入室率および死亡率とした。固定効果モデルを使用した解析の結果、いずれも対照群とBCGワクチン接種群との間に有意な差はなかった(入院率:OR 0.66、95%CI:0.37~1.18、I2=42%、ICU入室率:同0.25、0.05~1.18、0%、死亡率:同0.64、0.17~2.44、0%)。

 副反応に関しては、対照群と比べBCGワクチン接種群で局所反応の頻度が高かったが(OR 49.94、95%CI 14.08~177.2、I2=92%)、重篤な副反応の頻度は同等だった(同0.95、0.74~1.21、46%)。

 局所反応の高い不均一性に関しては、BCG株のタイプに由来するものではなく、局所反応の正確な定義の欠如に関連している可能性があるとしている。

 Wen氏らは、「本調査結果では、COVID-19罹患率、COVID-19関連の入院率、ICU入室率、死亡率に関してBCGワクチン接種による抑制効果を支持するエビデンスは得られなかった」とした上で、「われわれの研究結果は、COVID-19の罹患予防目的でのBCGワクチン接種を推奨しないとする、2020年のWHOの勧告を支持するものである」と結論。一方、研究の限界として、評価したRCTの件数が少ないことを挙げ、「進行中のRCTの結果は今回の結果を検証するために重要となる」と指摘している。

(宇佐美陽子)

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