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がんゲノム医療、中核施設の実力を検討

治験などの情報共有が不十分か

2023年03月23日 14:47

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 2019年6月にがんゲノムプロファイリング(CGP)検査が保険適用となり、昨年(2022年)12月末時点で4万6,000件以上の検査が行われている。CGP検査の結果を日常診療で用いるには、がんゲノム医療中核拠点病院などに設置されたエキスパートパネルでの検討が必要となるが、エキスパートパネルが推奨する治療は施設によって異なるケースがある(Int J Clin Oncol 2021; 26: 443-449)。国立がん研究センター東病院総合内科科長の内藤陽一氏らは、全国のがんゲノム医療中核拠点病院におけるエキスパートパネルの実力を検討するため、50例の模擬症例に対する各エキスパートパネルの推奨治療を比較した結果をJAMA Netw Open2022; 5: e2245081)に報告。治験など研究段階の治療が推奨されるようなエビデンスレベルが低い症例では、事前に同氏らが作成した模範解答との一致率が低かったことから、エキスパートパネル間での最新の臨床試験情報の共有が十分でない実態が示唆された(関連記事「がんゲノム医療は臨床の革命となったか?」)。

模範解答との平均一致率は62%

 内藤氏らは、がんゲノム医療中核拠点病院12施設のエキスパートパネルの代表者から成る研究チームを組織し、症例数が多いがん種や各がん種における遺伝子変異の頻度に関する情報などを基に50例の模擬症例を作成。同時に、各症例に対しどのような治療が推奨され、どのような臨床試験の対象になるかについての模範解答も作成した。

 模範解答の作成に関わったメンバーを除外した各エキスパートパネルを対象として、模擬症例に対する推奨治療を解答させ、模範解答との一致率を比較した。その結果、平均一致率は62%だった()。

表.模範解答との一致率

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(国立がん研究センタープレスリリースより)

 また模範解答との一致率は、既に承認されている薬剤があり、標準治療として確立されているエビデンスレベルが高い治療では高かったのに対し〔エビデンスレベルA 88%、同R 100%〕、治験などの研究段階の治療を含むエビデンスレベルが低い治療では低かった(同C 30%、同D 25%、同E 18%)。一部のエキスパートパネルは最新の治験情報を十分に把握できていない実態が示唆された。

 同氏らは「今回の検討で、研究段階の治療についてエキスパートパネル間で情報共有を行う重要性が確認された。われわれの別の検討では、治験情報の共有によりCGP検査に基づいて適合する治療の実施割合が2倍以上に増えることが示唆されている(Cancer Sci 2022; 113: 3995-4000)。今後も治験情報や臨床試験の情報共有を継続的に行うアカデミア施設の系統的・持続的な連携を推進していきたい」としている。

(中原将隆)

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