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PPI使用と横紋筋融解症が関連

スタチン使用の有無で検討

2023年03月31日 18:27

527名の医師が参考になったと回答 

イメージ画像 © Adobe Stock ※画像はイメージです

 消化性潰瘍の治療薬に用いられるプロトンポンプ阻害薬(PPI)の重大な副作用に横紋筋融解症があり、添付文書にも記載がある。しかし、これまでPPIの使用と横紋筋融解症のリスクとの関連を検討するランダム化比較試験(RCT)は実施されていない。サウジアラビア・Ministry of Health Saudi Arabia/University of HailのAli F. Altebainawi氏らは、米食品医薬品局(FDA)が運営している有害事象の自発的報告システム(FDA Adverse Event Reporting System;FAERS)を用い、PPI使用と横紋筋融解症との関連について、同様に横紋融解症が副作用として認知されているスタチン使用の有無別に検討。医薬品安全性監視(ファーマコビジランス)による横紋筋融解症のシグナル検出がPPI使用と関連性を示したと、Ther Adv Drug Sat2023; 14: 20420986231154075)に発表した。

薬剤別ではエソメプラゾールが最多

 FAERSデータベースはFDAがさまざまな薬剤の市販後調査プログラムをサポートするために作成した安全性サーベイランスツールである。1969年の開設以降、医師や薬剤師、患者などからの自発報告を含む、900万件を超える有害事象報告が集積されている。

 Altebainawi氏らは、同データベースの2013〜21年の報告から、調査対象の有害事象である横紋筋融解症とその関連用語を検索。横紋筋融解症と横紋筋融解症以外の報告に大別し、さらに調査対象であるPPIとその他の薬剤の使用例に分類して検討した。

 ファーマコビジランスの4つのシグナル検出指標である、①報告オッズ比(ROR)、②報告割合比(PRR)、③経験的ベイズ幾何平均(EBGM)、④情報コンポーネント(IC)ーのデータを用い、PPI使用に関連する横紋筋融解症のシグナルは、スタチン使用の有無を問わず検出された。

 2013〜21年に報告された796万3,090件のデータを解析に用い、このうちPPIの報告の多くは日本からのものだった(56.6%)。内訳は男性が8割以上、65歳以上の高齢者が約4割を占めた。

 横紋筋融解症の報告が最も多いPPIはエソメプラゾール、次いでオメプラゾール、ランソプラゾールと続き、dexlansoprazole(日本未承認)は最も少なかった。

スタチン非使用例で高いシグナル検出

 スタチン使用を含む報告の解析では、横紋筋融解症に関連する報告4,471件のうちPPIが関連すると見なされたのは57件で、スタチン使用を含まない報告の解析では横紋筋融解症に関連する3,670件中57件がPPIが関連すると見なされた。

 RORの有意性の程度は異なるものの、スタチン使用の有無にかかわらずPPIの使用例で横紋筋融解症のリスクが高かった。RORの指数は、スタチン使用を含む報告で2(95%CI 1.5〜2.6)と最も低かったのに対し、スタチン使用を含まない報告では2.5(1.9〜3.2)と最も高かった。PRRはRORと同様の傾向を示した。

 ICとEBGMはいずれもシグナル検出基準を超え、スタチン使用の有無にかかわらず横紋筋融解症とPPI使用の間に有意な関連が認められた。ICとEBGMの指数はスタチン使用例で低く(IC 1.02、EBGM 2.03)、非使用例で高かった(同1.31、2.47)。

 Altebainawi氏らは「ROR、PRR、IC、EBGMの指標を使用した定量的医薬品有害事象シグナル検出により、FAERSデータベースから横紋筋融解症とPPI使用に重要な関連性が立証された。これらのシグナルは、スタチンを含む報告に比べスタチンを含まない報告でより高いと見なされた。したがって、臨床医と患者はPPI処方に関連する横紋筋融解症のリスク上昇について十分に理解することが推奨される」と述べている。

(宇佐美陽子)

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