介護保険制度は家族を解放したのか
ヘルスサービスリサーチから見た財政上の課題とは
2023年05月10日 16:49
355名の医師が参考になったと回答
少子高齢化が急速に進む日本において、医療・介護費の増大は社会的な課題となっている。介護については2000年に介護保険制度が導入され、家族介護から社会全体で支える仕組みへと大きな転換が図られたものの、各種サービスや財源が介護者に適正かつ効率的に配分されているかは不明である。筑波大学ヘルスサービスリサーチ分野教授で医師の田宮菜奈子氏は、第31回日本医学会総会(4月21~23日)で全国介護保険レセプトデータ(以下、全国介護レセプト)や国民生活基礎調査などを基に医療介護の現状や財政上の課題を提示。介護者を直接支援する政策が取られていない現状を踏まえ、家族の視点を含めた制度の見直しが必要であると訴えた。