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Crisaboroleが日本人アトピー患者に有効

軽症~中等症患者対象の第Ⅲ相試験CrisADe CLEAR

2023年05月16日 17:48

309名の医師が参考になったと回答 

イメージ画像 © Adobe Stock ※画像はイメージです

 中国・Capital Medical UniversityのLin Ma氏らは、日本人および中国人の軽症~中等症アトピー性皮膚炎(AD)患者における非ステロイド性ホスホジエステラーゼ(PDE)4阻害薬crisaborole軟膏2%の有効性と安全性を第Ⅲ相多施設二重盲検vehicle対照ランダム化比較試験CrisADe CLEARで検討。その結果、crisaboroleは忍容性が高く、vehicleに比べて皮疹と痒みを有意に改善したとJ Dermatol2023年5月8日オンライン版)に発表した。

EASIスコア約60%改善、40%で皮疹消失

 crisaborole軟膏2%は、米国において2歳以上の軽症~中等症AD患者を対象に行われた第Ⅲ相試験で安全性と有効性が確認されている。しかし、同試験ではアジア人患者が全体の約5%にすぎなかったため、アジア人AD患者におけるcrisaboroleの有効性と安全性はよく分かっていない。

 今回のCrisADe CLEAR試験では、AD病変が体表面積の5%以上に及ぶ2歳以上の中国人および日本人の軽症~中等症AD患者391例(平均年齢18.3歳、男性52.4%、日本人39.4%)を登録。crisaborole群(260例)とvehicleを使用する対照群(131例)に2:1でランダムに割り付けて1日2回28日間塗布した。

 解析の結果、対照群に比べcrisaborole群では主要評価項目とした投与開始後29日時点における湿疹面積・重症度指数(EASI)合計スコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)が有意に大きかった(-59.9% vs. -42.8%、最小二乗平均差-17.1、P=0.0002)。

 副次評価項目に関しても、対照群と比べcrisaborole群で有意な改善が認められ、29日時点で医師による静的総合評価(Investigator's Static Global Assessment;ISGA)スコアが0(皮疹の完全消失)または1(ほぼ消失)だった患者の割合(41.4% vs. 28.5%、群間差12.9%、P=0.0124)、同時点でISGAスコアがベースラインから2以上改善し0または1となった患者の割合(27.6% vs. 15.9%、群間差11.7%、P=0.0078)が有意に多かった。また、4週時点における痒みの評価尺度(Peak Pruritus Numerical Rating Scale;PP-NRS)スコアのベースラインからの変化量が有意に大きかった(-1.58 vs. -0.79、群間差-0.79、P=0.0009)。

主な有害事象は投与部位疼痛

 安全性プロファイルは両群で同等だった。治療中に発現した有害事象(TEAE)が1件以上認められた割合は、crisaborole群で46.2%、対照群で44.3%だった。最も発現率が高かったTEAEは投与部位疼痛だった(crisaborole群13.1%、対照群3.8%)。TEAEの大部分は軽度で、試験終了(投与開始後60日)までに回復・消失した。

 以上を踏まえ、Ma氏らは「中国人および日本人の2歳以上の軽症~中等症AD患者において、crisaboroleは全ての有効性の評価項目に関してvehicleより優れた成績を示し、忍容性が高く、新たな安全性シグナルは認められなかった」と結論している。

太田敦子

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