男性型脱毛症に植物エキス液が有効
非盲検前向きリアルワールド観察研究
2023年06月20日 05:05
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米・Cosmetic Skin and Surgery Center／Hair-Therapy Hair Medical ClinicのJeffrey Rapaport氏らは、男性型脱毛症（AGA）と診断された成人男女150例を対象に、茶葉抽出物などの植物エキスを主成分とする医薬部外品外用液REVIVVの有効性と安全性を非盲検前向きリアルワールド観察研究で検討。その結果、REVIVVの1日2回8週間塗布により毛髪の成長が有意に促進され、患者満足度が高く、副作用はなかったとJ Drugs Dermatol（2023; 22: 559-564）に発表した。
1日2回8週間使用で頭頂部毛髪の太さ・密度が増加
REVIVVは抗炎症作用、抗アンドロゲン作用、抗菌作用、抗酸化作用を有する各種の植物エキスを主成分とする医薬部外品外用液。エピガロカテキンガレート（EGCG）を含む茶葉抽出物、フラボノイドやポリフェノールを含むブドウ種子抽出物、フラボノイドの一種タキシフォリンを含むセイヨウカラマツ抽出物などが配合されている。
今回の観察研究では、軽症～重症のAGAと診断された18～75歳の患者150例（平均年齢56.4歳、女性60％）を対象に、リアルワールドでのAGAに対するREVIVVの安全性と有効性を評価した。患者は自宅で頭皮にREVIVVを1日2回塗布し、夜間は同薬を塗布した状態で就寝した。
7例を対象にフォトトリコグラム分析を行った結果、塗布開始後8週時点で頭頂部・つむじ部分の毛髪の太さおよび密度がベースラインと比べて有意に増加していた（全てP＜0.05）。
副作用なし、有効性・美容両面で高い満足度
8週時点における質問票を用いた患者満足度の評価では、大部分が「使用を続けたい」と回答した。
有効性の面では、「毛髪の成長、毛髪量、毛髪による頭皮の被覆率、毛髪の再生量が増加した」と回答した患者が80％、「新たな発毛の頻度が高くなった」が90％、「抜け毛が減少した」「使いやすかった」が100％に及んだ。
美容面では、全例が「日常的な毛髪の手入れに組み込みやすかった」「ヘアスタイリングへの影響はなかった」と回答した。
REVIVV塗布の遵守率は100％で、不快感の訴えはなく、副作用は検出されなかった。
以上を踏まえ、Rapaport氏らは「植物エキスを主成分とする医薬部外品REVIVVの1日2回8週間塗布は、AGA患者の毛髪の成長を有意に改善し、患者満足度が高く、副作用がなかった」と結論。作用機序について、「ポリフェノールが豊富な茶葉抽出物は、炎症活性化経路を抑制する一方で幹細胞増殖を促進し、直接または間接的に毛包細胞内の代謝過程を調節する。フラボノイドが豊富なブドウ種子やセイヨウカラマツの抽出物は、酸化ストレスおよび毛包細胞の老化に対する保護作用により、毛包の成長期への移行を改善し、アポトーシスを抑制する」と解説している。
（太田敦子）
