遺伝性網膜ジストロフィーに対する遺伝子補充療法ルクスターナが発売
ノバルティス ファーマ
2023年08月31日 14:20
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ノバルティス ファーマは昨日(8月30日)、両アレル性RPE65遺伝子変異による遺伝性網膜ジストロフィー(IRD)に対する遺伝子補充療法ルクスターナ注(一般名:ボレチゲン ネパルボベク、以下ルクスターナ)を発売した。
IRDは、進行性の視覚障害を伴う遺伝性網膜疾患の総称で、260以上の原因遺伝子が同定されている。うちRPE65遺伝子変異によるIRDは、暗いところで目がみえにくくなる夜盲や視野が狭くなる視野狭窄、視力低下を主症状とし、進行すると失明に至ることもある希少疾患である。
ルクスターナは、RPE65遺伝子の機能欠損を補う遺伝子補充療法で、各眼につき網膜下への1回の注射で治療が完了する。正常なRPE65遺伝子を組み込んだ病原性のないアデノ随伴ウイルス2型(AAV2)を利用し、正常なRPE65蛋白質を長時間安定して発現することで、RPE65 遺伝子変異がもたらすRPE65蛋白質の不足によって視覚障害を呈するIRD患者の視機能を改善する(関連記事「IRD遺伝子治療薬、1回投与で長期視機能改善」)。