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爪白癬、適切な診断から「完全治癒」を目指す

日本初の抗原検査キット登場

2023年09月06日 15:27

240名の医師が参考になったと回答 

 爪白癬は日本人の10人に1人に認められる疾患である。爪白癬に類似した爪疾患は多く、確定診断には真菌学的検査が必要となる。2022年6月に、従来のKOH直接鏡検法(鏡検)に加えてイムノクロマト法を用いた日本初の白癬菌抗原検査キットが登場し、適切な診断に基づいた治療の提供が期待されている。佐藤製薬とマルホが東京都で合同のメディアセミナーを開催し、埼玉医科大学皮膚科教授の常深祐一郎氏が講演。爪白癬診断・治療の現状と課題について概説した。

ガイドラインは経口薬での治療が推奨度A

 爪白癬は高齢者に多く、放置すると自他への感染やQOL低下を招く他、爪の変形や痛みによる転倒、蜂窩織炎や糖尿病足病変のリスクとなるため、臨床的治癒だけでなく真菌学的治癒も併せた「完全治癒」を目指す必要がある。

 爪白癬の治療薬には外用薬(エフィナコナゾール、ルリコナゾール)と経口薬(イトラコナゾール、テルビナフィン、ホスラブコナゾール)がある。日本皮膚科学会の『皮膚真菌症診療ガイドライン2019』では外用薬2剤が推奨度B、経口薬3剤が推奨度Aとされ、検討中の楔型爪白癬以外では表在型白色爪白癬(SWO)のみで外用薬を考慮するとされているが、2022年に実施された医師を対象とするアンケートでは、外用薬での治療を選択するとの回答が約6割に上った。

抗原検査キット普及で適切な治療が可能に

 爪白癬の診断を視診のみで行うと皮膚科医でも3割が誤ったという報告がある。そのため正確な診断には真菌学的検査が必須となるが、これまで主に行われてきた鏡検の実施には顕微鏡などの設備や検体摘出の技術、菌の形態を識別する専門的技能が求められる。また、訪問診療時で検査機器が使えないなど検査のできる環境にない場合には視診による診断が行われることがあり、別の爪疾患患者が爪白癬と診断されてしまうリスクにもなる。

 イムノクロマト法による白癬菌抗原検査は、5~30分で完了する上に鏡検が難しい状況でも実施が可能。さらに鏡検での見逃しを防ぐ効果も期待できる。

 常深氏は「自分の診断に自信がない場合、経口薬の処方に心理的なハードルを感じる医師は少なくない」と指摘。「抗原検査キットの普及で他科の医師でも適切な診断が簡便に行えるようになれば、経口薬による治療も普及すると期待できる」と展望した。

服部美咲

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