ラニチジン、がんリスク上昇と関連せず
2023年09月29日 16:12
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ヒスタミン(H2)受容体拮抗薬(H2RA)のラニチジンは、2019年に原薬から発がん物質のN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)が基準値を超えて検出されたことを受け、国内では2021年までに市場から回収・販売中止となった。しかし、同薬が全世界で広く使用されていた実態に鑑み、疫学的リスクの特定が重要な課題である。韓国・Yonsei University College of MedicineのSeng C. You氏らは、欧米およびアジアの118万例超の医療データを用いてラニチジンと他のH2RA使用に伴うがんリスクを比較検討するネットワークコホート研究を実施。他のH2RA使用と比べラニチジン使用は、がんのリスク上昇と関連していなかったが、長期的な影響についてはさらなる研究が必要とJAMA Netw Open(2023; 6: e2333495)に報告した。(関連記事「発がん物質検出でラニチジン自主回収」「発がん物質検出でニザチジンも自主回収」)