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11月2日

より効果的な大腸がん検診の実現に向けて

2023年11月02日 06:15

99名の医師が参考になったと回答 

ワークショップ6 提案:日本消化器がん検診学会

11月2日(木) 9:00〜11:00 第7会場(ポートピアホテル南館 大輪田C)

[司会]

山口 和也氏

ちば県民保健予防財団・総合健診センター消化器内科

小林 望氏

国立がん研究センター中央病院・検診センター

[基調講演]

濱島 ちさと氏

帝京大・医療技術学部看護学科保健医療政策学

[演者]

森 源喜氏

長崎県壱岐病院・内科

三上 哲彦氏

市立登米市民病院・内科

阿部 浩一郎氏

帝京大・内科

今野 真己氏

栃木県立がんセンター消化器内科

森 仁志氏

ベルランド総合病院・消化器内科

松原 良樹氏

千葉市立海浜病院・消化器内科

尾田 恭氏

尾田胃腸内科・内科

河村 卓二氏

京都第二赤十字病院・消化器内科

[特別発言]

松田 一夫氏

福井県健康管理協会・県民健康センター

 1992年に便潜血検査が開始され大腸がん検診は一定の成果を挙げているが、近年の年齢調整罹患率は横ばいで、死亡率はわずかな低下傾向にとどまる。大腸がんは早期に発見することで死亡リスクを低減できる可能性があるが、便潜血検査の受診率、精検受診率はともにほぼ半数程度と対策が求められており、こうした現状を踏まえて本セッションが企画された。司会を務める山口和也氏は「効果的な検診とは何か、必要とする対象に必要な検査を実施するためにはどうすればよいのか。臨床医の先生方に検査について理解を深めてもらえる機会となれば」と述べる()。

図. 大腸がんをめぐる現状

(山口和也氏提供)

検査は単に「受ければよい」ものではない

 ワークショップは、基調講演、精検受診を促進する取り組みや精度管理、検診の意義などをめぐる8演題と特別発言で構成される。山口氏は「効果的な検診を考える上で、検査は単に"受ければよい"というものではないことを知っておくべき」と注意を促す。その真意を理解する一助となるのが、冒頭に行われる基調講演である。便潜血検査と大腸内視鏡検査の科学的根拠および利益(大腸がん検出率)・不利益(大腸がん1例の発見に要する大腸内視鏡検査件数)のバランスについて、濱島ちさと氏が解説する。一次検査としての妥当性、適切な対象、検診精度など、さまざまな思索の機会が得られるだろう。

大腸がん検診をめぐる今を網羅する8演題

 便潜血陽性者をスムーズに二次検査(大腸内視鏡検査)受診に導くためのヒントとなるのが、検診部門と診療部門の情報共有により精検受診勧奨に取り組む森源喜氏、精密検査説明会を実施することで検査への心理的ハードルを下げる三上哲彦氏の発表だ。いずれも精検受診率が8割を超えており、「精検が必要と分かっていても、多忙や煩わしさから放置してしまう未精検者が多い。各地域の実情に応じた精検受診勧奨の取り組みが広がれば」と山口氏は述べる。

 住民検診と職域検診にはギャップがあることが指摘されている。大腸がん検診における地域と職域の精度管理指標(要精検率、精検受診率、がん発見率、陽性的中率)を比較し、職域検診での精度管理指標の運用方法を検討した結果を阿部浩一郎氏が発表する。唯一有意差が認められた職域検診における精検受診率向上が求められる。

 大腸がん検診の意義を年齢という観点から検討したのが今野真己氏と森仁志氏だ。今野氏は40歳代の若年性大腸がんを早期に発見する意義、森氏は80歳以上の大腸内視鏡検査の安全性や意義について報告する。松原良樹氏は、便潜血検査陽性回数(1回または2回)とAdvanced neoplasiaの陽性的中率との関連について、大腸内視鏡検査の受診歴も含めて検討した結果を発表する。

 熊本市では、対策型検診として導入されている便潜血検査による大腸がん検診の受診率が全国平均と比べ極端に低いものの、人口当たりの大腸内視鏡検査施行数は全国1位という特殊性を有している。その実態について検討した結果を尾田恭氏が報告する。大腸がんリスクの程度に応じた検査方法や検査間隔という観点から、大腸内視鏡検査のあるべき姿を再考させられる機会が得られるだろう。

 大腸内視鏡検査の質に与える内視鏡医の要因について検討したのは河村卓二氏。質の高い検査を行う内視鏡医の特徴については、ぜひ聴講して確かめていただきたい。セッションの最後には松田一夫氏による特別発言が予定されている。

より効果的な大腸がん検査の在り方とは−ぜひ臨床医も聴講を

 以上のように、「より効果的な大腸がん検診を実現するにはどうすればよいのか」を考える上で、示唆に富んだ知見が次々に発表されるプログラムとなっている。山口氏は「臨床医が検診について考える機会はあまりないかもしれないが、より効果的な検査は大腸がん死を抑制することから、検査条件(スクリーニングか精査か)や受診者の属性、許容できるリスクの程度などの要素を考慮し、適切な対象に適切な機会に適切な方法で行うことが求められる。本ワークショップを通じて、検査のあるべき姿や目指すべき方向性に触れる機会を持っていただきたい」と述べ、広く聴講を呼びかけている。

第66回日本消化器病学会大会

[会長]坂本 直哉 
北海道大学大学院 消化器内科学

第108回日本消化器内視鏡学会総会

[会長]矢作 直久 
慶應義塾大学 腫瘍センター

第28回日本肝臓学会大会

[会長]四柳  宏 
東京大学医科学研究所先端医療研究センター感染症分野

第22回日本消化器外科学会大会

[会長]堀口 明彦 
藤田医科大学ばんたね病院 外科

第62回日本消化器がん検診学会大会

[会長]金岡  繁 
浜松医療センター 消化器内科

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