糖尿病学会、マンジャロの重篤な副作用について注意喚起
高齢者で重篤な副作用、因果関係の否定できない死亡例も
2023年12月05日 13:32
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日本糖尿病学会は昨日(12月4日)、GIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチド(商品名マンジャロ皮下注)について、市販後調査の中間結果を踏まえて投与上の注意点を公式ホームページに掲載した。
具体的には、高齢者への投与で重篤な副作用が一定数認められることや、インスリン使用者への投与で因果関係の否定できない死亡例が報告されていることを紹介。食事摂取量の不足した高齢者では、チルゼパチド投与による体重減少からサルコペニア、フレイルにいたる可能性があると警告し、過度の体重減少や嘔気・嘔吐が見られた場合には同薬の減量または投与中止を考慮する必要があると呼びかけている。加えて、BMIの低い高齢者に対する同薬投与の可否を判断する際は専門医に相談することを強く推奨した。
また、チルゼパチド投与後の死亡例2例はいずれも高齢者で、うち1例はインスリン製剤を使用されており、チルゼパチド投与後にケトアシドーシスが発現したことに言及。インスリン分泌が高度に低下している場合には、インスリンからチルゼパチドへの切り替えにより血糖管理が急速に悪化するリスクがあるとし、「GLP-1受容体作動薬同様、チルゼパチドはインスリンの代替薬ではない」と指摘した。同学会では、インスリンを投与している患者に関しては、同薬からチルゼパチド含むインクレチン関連薬に変更する前に必ず内因性インスリン分泌を確認し、変更の可否については専門医に相談するよう強く推奨している。