夜間ヘモグロビン尿症、新薬の位置付けは?
2024年02月28日 17:02
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発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は後天性の遺伝子変異による造血幹細胞疾患で、PNH型赤血球が補体の攻撃を受け破壊されることで生じる溶血を主徴とする。臨床症状としてヘモグロビン尿、腹痛、胸痛、不特定の痛み、性機能不全などが認められ、再生不良性貧血をはじめとする後天性⾻髄不全疾患の合併および相互進展、慢性腎不全、血栓症を来すこともある。既存の抗体医薬エクリズマブおよびラブリズマブは補体C5を阻害してPNHの血管内溶血を防ぐ一方で、治療中の血管外溶血への対応が課題であった。こうした背景の下、今年(2024年)1月に経口補体D因子阻害薬ダニコパン(商品名ボイデヤ)が承認されたことを受け、製造販売元のアレクシオンファーマがメディアセミナーを開催。大阪大学大学院血液・腫瘍内科学招聘教授の西村純一氏、筑波大学医学医療系教授の小原直氏がPNHの治療におけるダニコパンの位置付けと今後の展望について解説した。