格上げ進む放射性核種標識ペプチド療法
神経内分泌腫瘍の治療戦略
2024年05月31日 13:56
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神経内分泌腫瘍(Neuroendocrine Tumor;NET)は、全身の神経内分泌細胞に発生するneuroendocrine neoplasm(NEN)の中で進行度が遅い高分子型の腫瘍である。日本では人口10万人当たり1~3人と希少がんに該当するが、罹患率は上昇傾向にある。約60%が消化器に発生し、中でも膵臓の発生率が高い。国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科医長/希少がんセンター肝胆膵腫瘍の肱岡範氏は、第110回日本消化器病学会(5月9~11日)で膵臓・消化管NETの最新治療について概説。「積極的な外科切除が推奨されるが薬物治療も進歩している。特に2021年に承認された放射性核種標識ペプチド療法(peptide receptor radionuclide therapy;PRRT)は、切除不能例では治療選択肢としての格上げが進むだけでなく、切除可能例に対しても重要な選択肢となるだろう」と展望した。