薬剤性腎障害のリスクが最も高いものの1つに、感染症に対する抗菌薬投与が挙げられる。東京大学大学院薬学研究科医療薬学研究センター講師の山本武人氏は「抗菌薬による腎障害の多くは腎性腎障害と腎後性腎障害である。腎性腎障害では急性尿細管壊死や急性間質性腎炎、急性糸球体腎炎、腎後性腎障害では尿路閉塞などが挙げられ、用量反応性や免疫反応の介在の有無、他の薬剤との併用によるリスクの上昇などを考慮することが対応の鍵である」と、第26回日本医療薬学会(9月17~19日)のシンポジウム「薬剤性腎障害を考える」(関連記事)で述べた。