新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療法として、回復した患者から採取した血清(回復期血清)や血漿投与の有効性をめぐっては、相反した結果が報告されている。東京大学医科学研究所感染分野教授の河岡義裕氏らの研究グループは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染させたハムスターに回復期血清を投与した実験で、肺などにおいてウイルスの増殖が顕著に抑制されたとProc Natl Acad Sci USA (2020年6月22日オンライン版)に発表した。PMID:32571934(関連記事「COVID-19重症例に回復例の血漿投与が有益か」「COVID-19患者への血漿療法に有効性見られず」)ヒトに対しても有効である可能性が示唆されたとしている。