奈良宣言から1年半が経って 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 肝臓学会特別企画(W)(日本肝臓学会・日本消化器病学会・日本消化器がん検診学会) 10月31日(木)14:30〜17:00 第1会場(神戸国際展示場2号館 ホール北) [司会] 赤羽 たけみ 氏 宇陀市立病院 髙橋 宏和 氏 佐賀大附属病院・肝疾患センター [演者] 江口 有一郎 氏 江口病院・消化器科 垣田 成庸 氏 市立貝塚病院・消化器内科 村井 麻里子 氏 奈良県肝疾患相談センター 山下 裕騎 氏 信州大・消化器内科、信州大附属病院・肝疾患診療相談センター 桝井 亮佑 氏 (株)サン薬局・三郷店 澤田 康司 氏 旭川厚生病院・消化器科,旭川医大・消化器内科 川中 美和 氏 川崎医大・2総合内科 龍田 美和 氏 KKR高松病院・消化器内科 中野 聖士 氏 久留米大・消化器内科 日高 勲 氏 済生会山口総合病院・消化器内科 天野 博之 氏 山梨県立中央病院・消化器内科 [特別発言] 吉治 仁志 氏 奈良県立医大・消化器・代謝内科 昨年(2023年)6月に開かれた第59回日本肝臓学会で、肝疾患の早期発見・早期治療を目的にALT値30U/L超の者を拾い上げるとする「奈良宣言2023」(図1)が発表されてから1年半ほどがたった。司会の赤羽たけみ氏は「本セッションでは、肝臓学におけるALT値を30U/L超に設定した趣旨をより深く議論し、さまざまな職種の医療者による発表を通じて、非専門医および一般市民への周知についても考えていきたい」と述べる。 図1. 奈良宣言 肝疾患早期発見のため奈良宣言の周知とALT値30U/L超の妥当性を探る 奈良宣言2023は、健康診断などでALT値が30U/L超の場合はかかりつけ医を受診し、必要であれば専門診療科で精密検査を受けるなどの診療連携により肝疾患の早期発見・早期治療につなげることを目的としている(図2)。宣言から1年半がたち、肝臓専門医が治療すべき患者の拾い上げや診療連携の現状を確認し、今後の展開を考える段階にある。 図2. ALT値30U/L超の拾い上げおよび診療連携のフロー (図1、2とも日本肝臓学会・奈良宣言特設サイトから) 本セッションでは、まず指定演題で江口有一郎氏がソーシャルマーケティングを用いたデジタル化、オンライン化による奈良宣言の啓発・周知の手法などを紹介する。 続いて、各演者が地域における周知活動、ALT値30U/L超拾い上げのための院内・院外の連携、医師以外の医療従事者による取り組みなどを発表する。垣田成庸氏は地域のかかりつけ医における奈良宣言の認知状況と受診勧奨の試みを、村井麻里子氏は奈良宣言後の肝炎医療コーディネーターによる周知啓発活動を報告する。山下裕騎氏は松本市と信州大学が連携して行った肝炎総合対策国民運動事業「知って、肝炎プロジェクト」の概要と成績を、桝井亮佑氏は保険薬局での奈良宣言の取り組みを生かした肝疾患予防啓発活動を、澤田康司氏は健診におけるFiB-4 index 1.3以上とALT値30U/L超によるmetabolic dysfunction associated steatotic liver disease(MASLD)拾い上げの成果をそれぞれ報告する。 赤羽氏は「一般的に、メディカルスタッフセッション以外の企画で医師以外の職種の医療者が発表する機会はほとんどないが、本セッションは保健師や薬剤師による発表があるのも特徴だ」と説明。「肝炎医療コーディネーター、厚生労働省のプロジェクト、マイナンバーカードの健康保険証利用歴や健康診断による肝機能異常の拾い上げといった、興味深い内容になっている」と付言する。 また、ALT値30U/L超の拾い上げで肝臓専門医がどのようにリスク者を識別するかについての議論もなされる。川中美和氏はMASLD診療における奈良宣言の臨床的意義の検証、龍田美和氏は人間ドック受診者6,594例の検討からMASLD拾い上げにおける宣言の光と影を、中野聖士氏はグラフィカルモデルを用いた肝線維化進展の拾い上げにおける宣言の有用性を、日高勲氏は血小板数を目安とした診療連携によるMASLD線維化進展例拾い上げの試みについて、天野博之氏はData Ware Houseを用いて検証した宣言の妥当性について報告。最後に、吉治仁志氏による特別発言で締めくくる予定だ。 赤羽氏は「本セッションは、肝臓専門医はもちろん、専門医以外の人にも興味を持って聞いてもらえる演題がそろっている。奈良宣言については消化器領域以外の医師にはまだ周知できていない。ALT値30U/L超例を拾い上げ、かかりつけ医、専門医につなげるためにも皆に広く知ってもらいたい」と強調している。 ※本記事の内容は取材時点での情報です。当日に変更となる場合があります。 MTウェブJDDW2024 TOP JDDW2024公式サイト 第67回日本消化器病学会大会 [会長]上野 義之 山形大学 内科学第二(消化器内科学) 第110回日本消化器内視鏡学会総会 [会長]田中 聖人 京都第二赤十字病院 第29回日本肝臓学会大会 [会長]加藤 直也 千葉大学大学院 消化器内科学 第23回日本消化器外科学会大会 [会長]瀧口 修司 名古屋市立大学大学院 消化器外科学 第63回日本消化器がん検診学会大会 [会長]岡庭 信司 飯田市立病院 消化器内科 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×
肝臓学会特別企画(W)(日本肝臓学会・日本消化器病学会・日本消化器がん検診学会) 10月31日(木)14:30〜17:00 第1会場(神戸国際展示場2号館 ホール北) [司会] 赤羽 たけみ 氏 宇陀市立病院 髙橋 宏和 氏 佐賀大附属病院・肝疾患センター [演者] 江口 有一郎 氏 江口病院・消化器科 垣田 成庸 氏 市立貝塚病院・消化器内科 村井 麻里子 氏 奈良県肝疾患相談センター 山下 裕騎 氏 信州大・消化器内科、信州大附属病院・肝疾患診療相談センター 桝井 亮佑 氏 (株)サン薬局・三郷店 澤田 康司 氏 旭川厚生病院・消化器科,旭川医大・消化器内科 川中 美和 氏 川崎医大・2総合内科 龍田 美和 氏 KKR高松病院・消化器内科 中野 聖士 氏 久留米大・消化器内科 日高 勲 氏 済生会山口総合病院・消化器内科 天野 博之 氏 山梨県立中央病院・消化器内科 [特別発言] 吉治 仁志 氏 奈良県立医大・消化器・代謝内科 昨年(2023年)6月に開かれた第59回日本肝臓学会で、肝疾患の早期発見・早期治療を目的にALT値30U/L超の者を拾い上げるとする「奈良宣言2023」(図1)が発表されてから1年半ほどがたった。司会の赤羽たけみ氏は「本セッションでは、肝臓学におけるALT値を30U/L超に設定した趣旨をより深く議論し、さまざまな職種の医療者による発表を通じて、非専門医および一般市民への周知についても考えていきたい」と述べる。 図1. 奈良宣言 肝疾患早期発見のため奈良宣言の周知とALT値30U/L超の妥当性を探る 奈良宣言2023は、健康診断などでALT値が30U/L超の場合はかかりつけ医を受診し、必要であれば専門診療科で精密検査を受けるなどの診療連携により肝疾患の早期発見・早期治療につなげることを目的としている(図2)。宣言から1年半がたち、肝臓専門医が治療すべき患者の拾い上げや診療連携の現状を確認し、今後の展開を考える段階にある。 図2. ALT値30U/L超の拾い上げおよび診療連携のフロー (図1、2とも日本肝臓学会・奈良宣言特設サイトから) 本セッションでは、まず指定演題で江口有一郎氏がソーシャルマーケティングを用いたデジタル化、オンライン化による奈良宣言の啓発・周知の手法などを紹介する。 続いて、各演者が地域における周知活動、ALT値30U/L超拾い上げのための院内・院外の連携、医師以外の医療従事者による取り組みなどを発表する。垣田成庸氏は地域のかかりつけ医における奈良宣言の認知状況と受診勧奨の試みを、村井麻里子氏は奈良宣言後の肝炎医療コーディネーターによる周知啓発活動を報告する。山下裕騎氏は松本市と信州大学が連携して行った肝炎総合対策国民運動事業「知って、肝炎プロジェクト」の概要と成績を、桝井亮佑氏は保険薬局での奈良宣言の取り組みを生かした肝疾患予防啓発活動を、澤田康司氏は健診におけるFiB-4 index 1.3以上とALT値30U/L超によるmetabolic dysfunction associated steatotic liver disease(MASLD)拾い上げの成果をそれぞれ報告する。 赤羽氏は「一般的に、メディカルスタッフセッション以外の企画で医師以外の職種の医療者が発表する機会はほとんどないが、本セッションは保健師や薬剤師による発表があるのも特徴だ」と説明。「肝炎医療コーディネーター、厚生労働省のプロジェクト、マイナンバーカードの健康保険証利用歴や健康診断による肝機能異常の拾い上げといった、興味深い内容になっている」と付言する。 また、ALT値30U/L超の拾い上げで肝臓専門医がどのようにリスク者を識別するかについての議論もなされる。川中美和氏はMASLD診療における奈良宣言の臨床的意義の検証、龍田美和氏は人間ドック受診者6,594例の検討からMASLD拾い上げにおける宣言の光と影を、中野聖士氏はグラフィカルモデルを用いた肝線維化進展の拾い上げにおける宣言の有用性を、日高勲氏は血小板数を目安とした診療連携によるMASLD線維化進展例拾い上げの試みについて、天野博之氏はData Ware Houseを用いて検証した宣言の妥当性について報告。最後に、吉治仁志氏による特別発言で締めくくる予定だ。 赤羽氏は「本セッションは、肝臓専門医はもちろん、専門医以外の人にも興味を持って聞いてもらえる演題がそろっている。奈良宣言については消化器領域以外の医師にはまだ周知できていない。ALT値30U/L超例を拾い上げ、かかりつけ医、専門医につなげるためにも皆に広く知ってもらいたい」と強調している。 ※本記事の内容は取材時点での情報です。当日に変更となる場合があります。 MTウェブJDDW2024 TOP JDDW2024公式サイト 第67回日本消化器病学会大会 [会長]上野 義之 山形大学 内科学第二(消化器内科学) 第110回日本消化器内視鏡学会総会 [会長]田中 聖人 京都第二赤十字病院 第29回日本肝臓学会大会 [会長]加藤 直也 千葉大学大学院 消化器内科学 第23回日本消化器外科学会大会 [会長]瀧口 修司 名古屋市立大学大学院 消化器外科学 第63回日本消化器がん検診学会大会 [会長]岡庭 信司 飯田市立病院 消化器内科