(JGES Core Session) 上部消化管出血に対する内視鏡治療

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シンポジウム 7(日本消化器内視鏡学会・日本消化器病学会)

11月1日(金) 14:00〜17:00 第8会場(ポートピアホテル本館 偕楽1+2)

[司会]

道田 知樹 氏

大阪国際がんセンター・消化管内科

井口 幹崇 氏

和歌山県立医大・2内科

[特別発言]

土山 寿志 氏

石川県立中央病院・消化器内科

藤城 光弘 氏

東京大・消化器内科

樋口 和秀 氏

大阪医薬大・先端医療開発学

[演者]

Peter Draganov 氏

Division of Gastroenterology, Hepatology and Nutrition at the University of Florida

廣瀬 純穂 氏

山梨県立中央病院・消化器内科

紅林 真理絵 氏

済生会松阪総合病院・内科

今井 誠 氏

東京大・消化器内科

島田 清太郎 氏

富山大・3内科

小泉 葵 氏

多根総合病院・消化器内科

福地 剛英 氏

藤沢市民病院・消化器内科

藤永 幸久 氏

奈良県立医大・消化器・代謝内科

岩田 賢太郎 氏

慶應義塾大・腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門、慶應義塾大・消化器内科

瀧 真也 氏

和歌山県立医大・2内科

由本 純基 氏

京都府立医大大学院・消化器内科学

藤吉 俊尚 氏

日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院・消化器内科

 日本消化器内視鏡学会および日本消化器病学会合同で行われるこのセッションでは、今年(2024年)7月に刊行された日本消化器内視鏡学会の『非静脈瘤性上部消化管出血における内視鏡診療ガイドライン(第2版)』(以下、新GL)に関連するトピックスについての発表が相次ぐ。上部消化管出血に対する新旧さまざまな止血術の有効性や安全性などを学べる機会になりそうだ。

国や現場、症例ごとに異なる内視鏡診療の実態と対応法を紹介

 セッションの皮切りに、米国において先駆的に内視鏡治療を実践してきたPeter Draganov氏が、同国の上部消化管出血に対する止血術について多角的に講演。止血ジェルや止血パウダーの有用性についても触れる予定だ。
 廣瀬純穂氏は、医療資源が限られる救命救急医療の現場で消化管出血に対応する際、必須となる救命医、外科医をはじめとした多職種連携の実例を多数紹介する。
 内視鏡的止血が困難で、血管内治療(IVR)や外科手術を要する症例については、紅林真理絵氏がその予測に寄与するスコアリングシステムの有用性を検討。出血性十二指腸潰瘍(HDU)を診療する際などに活用できる可能性に言及する。

さまざまな抗血栓薬、止血デバイス、止血材の検証も

 近年、種々の抗血栓薬が臨床現場で使用されており、内視鏡治療を受けながら同薬を服用する患者も少なくない。今井誠氏はこうした状況を踏まえ、抗血栓薬の種別に後出血リスクを比較する。
 島田清太郎氏は止血術の違いによる安全性や有効性への影響を検討。高周波止血鉗子を用いたソフト凝固止血法およびクリップ止血法の有害事象や止血効果における差異の有無を探る。
 また、従来の止血術が難渋する際の選択肢となりうる止血デバイスである体内用結紮クリップ(製品名Over-The-Scope-Clip;OTSC)、吸収性局所止血材(商品名ピュアスタット)に関しては、それぞれ小泉葵氏、福地剛英氏がその便益や特徴などについて検証する。

治療困難例、術後出血への工夫などを取り上げる演題も

 さらに、HDUに対する内視鏡的止血術が困難であったケースでIVRを実施している施設の治療成績を、藤永幸久氏が報告。IVRへの移行により得られた成果を示すという。
 加えて、内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)後の出血リスク抑制をめぐり、複数の演者が工夫の数々を紹介。岩田賢太郎氏は、ESD後の血管凝固処置においてナイフ先端による予防止血の妥当性を明らかにする。
 ESD施行翌日に内視鏡検査を行うScheduled second-look endoscopy(SLE)の意義を取り上げる瀧真也氏は、所属施設のデータからSLEにおける後出血リスク抑制効果を分析する。
 由本純基氏は、抗血栓薬内服患者の胃ESD後潰瘍の内視鏡的縫縮術に焦点を当て、その是非を論じることになりそうだ。
 ESD後の潰瘍治療目的で投与されるボノプラザンとプロトンポンプ阻害薬の後出血抑制効果をランダム化並行群間比較試験にて検証した藤吉俊尚氏は、その結果を明らかにする。
 なおセッションには、土山寿志氏、藤城光弘氏、樋口和秀氏の特別発言も含まれている。

新GLを前提にしつつ、新たなエビデンスの積み上げを

 新GLの評価委員長を務めた司会の道田知樹氏は、今回のセッションについて「刊行されて間もない第2版の新GLでも触れている内視鏡診療のエビデンスを再確認し、さらに新たな知識や知見を得るよい機会となるのではないか」と評価。「ぜひ新GLをお読みいただいた上でご参加いただけるとありがたい」と呼びかけた。

    

※本記事の内容は取材時点での情報です。当日に変更となる場合があります。

第67回日本消化器病学会大会

[会長]上野 義之 
山形大学 内科学第二(消化器内科学)

第110回日本消化器内視鏡学会総会

[会長]田中 聖人 
京都第二赤十字病院

第29回日本肝臓学会大会

[会長]加藤 直也 
千葉大学大学院 消化器内科学

第23回日本消化器外科学会大会 

[会長]瀧口 修司 
名古屋市立大学大学院 消化器外科学

第63回日本消化器がん検診学会大会

[会長]岡庭 信司 
飯田市立病院 消化器内科

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