膵癌に対するロボット支援下手術

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シンポジウム10(日本消化器外科学会・日本消化器病学会)

11月2日(土) 9:00〜11:20 第1会場(神戸国際展示場2号館 ホール北)

[司会]

中村 雅史 氏

九州大大学院・臨床・腫瘍外科学

齋浦 明夫 氏

順天堂大大学院・肝胆膵外科学

[演者]

大塚 隆生 氏

鹿児島大・消化器外科

仲田 興平 氏

九州大・臨床・腫瘍外科

三瀬 祥弘 氏

順天堂大・肝胆膵外科

内田 雄一郎 氏

藤田医大・総合消化器外科

齊藤 健太 氏

名古屋市立大大学院・消化器外科学

二宮 理貴 氏

埼玉医大総合医療センター・肝胆膵外科・小児外科

武田 裕 氏

関西労災病院・消化器外科

石戸 圭之輔 氏

弘前大大学院・消化器外科学

袴田 健一 氏

弘前大・消化器外科

 ロボット支援下膵切除術が保険適用となってから4年半、日本の膵がん手術をめぐる状況に大きな変化が見られる。厳格な施設基準が設けられているにもかかわらず、導入した施設で爆発的な勢いで従来の術式からロボット支援下手術へのシフトが進んでいるという。本セッションについて、司会の齋浦明夫氏は「革命的に変わりつつある膵がん手術の現状を討論するものとしたい」と語る。

RPDとRDPの手技、有用性、安全性、未来についてhigh volume centerが報告

 2012年に保険適用された内視鏡下膵切除術の施行率は膵頭十二指腸切除術(PD)全体の数%と定着が進まなかったが、ロボット支援下手術は2020年の導入後に実施件数が大きく増加した。ロボット手術先進国の米国では既にロボット支援下手術の件数が内視鏡下手術を上回っており、日本も早晩同じ道をたどると考えられる。このように大きく変わりつつあるロボット支援下手術における喫緊の課題は、手技の確立と長期的な有用性や安全性の確認、それらを踏まえての適切な普及である。

 セッション冒頭で基調講演を行う大塚隆生氏は、膵がんにおける腹腔鏡下切除術の保険適用と安全性評価に取り組んだ第一人者である。医療者にとって最も重要な使命である「安全な医療」を軸に、ロボット支援下手術の普及について語る。

 仲田興平氏の九州大と三瀬祥弘氏の順天堂大は、保険適用前の臨床試験下で膵がんのロボット支援下手術を開始した施設である。導入早期から現在までに見えてきたロボット支援下手術の利点と欠点、欠点を克服するために何が必要かなど今後の展望についても報告する予定だ。

 膵がん手術は主にPDと尾側膵切除術(DP)の2つの術式で行う。技術的に難しいPDでは開腹や内視鏡とは異なるロボット独自の方法が求められ、各施設で手技の確立を模索中である。ロボット支援下PD(RPD)については3つの演題で取り上げる。内田雄一郎氏の藤田医大と齊藤健太氏の名古屋市立大はロボット産業に力を入れる愛知県のトップランナーで、その先鋭的なテクニックは全国的に注目を集めている。二宮理貴氏の埼玉医大はポート創が通常より少ないReduced-portによるRPDを日本で初めて行った施設で、同氏が台湾に学び同法を導入した。この3氏の講演では最先端の話が期待される。

 武田裕氏はRPDとロボット支援下DP(RDP)について報告する。腹腔鏡下手術のスペシャリストである同氏が、ロボット支援下手術をどのように行いどう評価するのか。「非常に興味深い」と齋浦氏。

 石戸圭之輔氏の弘前大では保険適用前から臨床試験下でRDPを導入している。今回、先行施設として培ってきたノウハウを用いた検討とその結果を報告する。

 同大は遠隔ロボット支援下手術でも実績を積んでおり、その第一人者である同大の袴田健一氏がセッションを締めくくる特別講演を行う。

 齋浦氏は「ロボット手術システムも、私たちの技術も高速で進化している。このシンポジウムによって膵がん手術の5年後、10年後の姿を感じていただけるはず」と聴講を呼びかけている。

※本記事の内容は取材時点での情報です。当日に変更となる場合があります。

第67回日本消化器病学会大会

[会長]上野 義之 
山形大学 内科学第二(消化器内科学)

第110回日本消化器内視鏡学会総会

[会長]田中 聖人 
京都第二赤十字病院

第29回日本肝臓学会大会

[会長]加藤 直也 
千葉大学大学院 消化器内科学

第23回日本消化器外科学会大会 

[会長]瀧口 修司 
名古屋市立大学大学院 消化器外科学

第63回日本消化器がん検診学会大会

[会長]岡庭 信司 
飯田市立病院 消化器内科

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