インスリンの混和不足が血糖不安定性の一因か
北里研究所病院糖尿病センターセンター長 山田悟
2015年12月01日 10:48
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研究の背景:インスリン混和が必要な製剤がある
インスリン注射レジメンとしてどのようなものがよいのか―。長く議論されてきた問題である。超速効型3回,混合型2回,持効型1回を比較した4T試験などは2度にわたってN Engl J Med(2007;357:1716-1730,2009;361:1736-1747)に掲載されたほどである(関連記事)。
ただ,これまでの研究では,中間型や二相性インスリン注射製剤では注射前の混和が必要であることについての注目はなされておらず,患者はきちんと混和ができるものという前提で試験が遂行されていたように思う。一方で,私は臨床的には混和が十分にできていないことに伴う治療効果の不安定性を感じることがあった。
このたび,中間型インスリン製剤(NPHインスリン)を用いて,混和のレベルによりインスリンの吸収スピードや血糖低下作用が大きく影響されることを示す論文が報告されたのでご紹介したい(Diabetes Care 2015年9月10日オンライン版)。
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